日経平均1万5000円! 日本が変わる 世界も変わる (「週刊現代」2013年3月9日号より)

日経平均1万5000円! 日本が変わる 世界も変わる
「安倍バブル」ここまでは確実
現代ビジネス2013年03月05日(火)週刊現代



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アベノミクスのツートップ、安倍首相と麻生財務相。常識を変えられるか〔PHOTO〕gettyimages

「バブル」はいつか弾けるかもしれない。だが、膨らんだ期待に日本経済の実力が追いつけば、それは中身の伴った「成長」に変わる。日本にはまだ、底力がある。それを証明し、世界を驚かせる時だ。

ここからまだ上がる

「昨年12月半ば、"死に体"だったパナソニック株を450円で2万株購入しました。政権交代で必ずデフレ脱却のための金融緩和や円安政策が取られると思って株を買ったら、2月にはなんと株価が700円超え。750円になった時に売りましたが、わずか2ヵ月で600万円の利益を得ることができました」(埼玉県在住・50代の個人投資家)

 アベノミクスによる心理的効果が、ますます日本を活性化させている。

 2月20日、日経平均株価は約4年5ヵ月ぶりに1万1500円台を回復。その後、日米首脳会談や日銀の総裁人事などの大イベントを控え、市場はやや調整が入ったが、依然として堅調であるのは間違いない。

 政界屈指の資産家であるこの人も、株価上昇の恩恵を大いに受けたという。

「リーマンショック以来の株価下落で、保有しているブリヂストン株が暴落して一時は40億円もの含み損になっていました。それが最近の株高で、おかげさまでかなり戻ってきています」(鳩山邦夫元総務相)

 とはいえ、これらは庶民にとっては"雲の上"の話。株価が上がっても株取引をしない庶民には関係がなく、「だからどうした」という思いでいる人も多いはず。


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 しかし、それは違う。数ヵ月前まで8000円台だった日経平均が、いまでは約3000円、30%以上も値上がりした。これは上場している日本企業の価値、ひいては日本そのものの価値が3割以上も上がったことを意味する。株も資産も持っていない庶民にも、必ずその恩恵が巡ってくる。

 第一生命経済研究所の主席エコノミスト・永濱利廣氏はこう語る。

「日本の"失われた20年"の元凶は、バブル崩壊による株価の暴落でした。絶頂期は3万8000円台だった日経平均が、いま少し戻ったと言っても、まだ1万1000円台でしかない。

 バブル期は確かに異常だったかもしれませんが、かといって8000円台などという水準は30年前と同じで、経済規模を考えればそれも異常でした。今後は、より"適正な水準"を目指し、さらに株価が上がる可能性があります」

 証券アナリストの植木靖男氏もこう話す。

「TPP(環太平洋経済連携協定)への参加問題など、安倍政権は今後、苦しい舵取りを強いられる可能性も出てきていますが、このままドル高・円安の流れが続けば、早ければ3月下旬から4月末には1万3000円台に到達するでしょう。さらに政治が安定して景気回復が明確になれば、夏以降~秋に向け、1万5000円かそれ以上を目指す可能性もあります」

 2月中旬にモスクワで開かれたG20(20ヵ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)では、日本に対し「通貨安戦争をしている」と糾弾の声が上がることも予想されたが、そうした批判が高まることはなかった。日本は、腐っても世界第3位の経済大国。その日本がアベノミクスで復活することを、世界は期待している。まさに、日経平均株価の上昇は、「世界を変える」ことにも繋がるのだ。

 具体的には、どんな「良いこと」が起きるのか。上の表は、それを一覧にまとめたものだ。

 前出・永濱氏はこう語る。

「日経平均が上がれば、みなさんの収入が上がります。過去のデータでも、株価の変動と企業の売上高の変動はタイムラグを伴いつつリンクしています。サラリーマンは仕事が多忙になり残業代が増えたり、非正規雇用者の採用が増えたりするでしょう。その兆候は出ています。株価の上昇が続けば、今年のボーナスを増額する企業も出てくる」

 また、株価上昇で企業活動が活性化することは、長らく停滞が続いてきた雇用環境にも好影響を及ぼす。SMBC日興証券シニアエコノミストの渡辺浩志氏がこう語る。

「企業内では、非正規雇用者が正規雇用されるといった動きも出てくるでしょう。株高の影響を受け、弊社でも'14年春の新卒者の採用人数を前年の約300人から、2~3割増やす方向で調整しています。

 雇用の拡大は業種による部分は大きいでしょうが、自動車など輸出関連企業では、今後雇用の伸びが非常に期待できると思います」

すべてがうまく回り始めた

 現役労働世代の収入が上がり、就職氷河期が緩和されるだけではない。リタイア済みの熟年層にも、好景気は波及する。

「年金の運用を自己責任で行う401Kの運用先が、アベノミクス以降変わってきています。株式市場の先高な傾向を読み、運用先を日本株に変える顧客が増えている。以前は401Kも、外国の国債や株式、日本国債、銀行の定期預金などが主な運用先でしたが、現在は国内株のウェートが30~40%になってきました」(ニッセイ基礎研究所・高山武士研究員)

 自分で年金を運用している人は、最近の株高で、かなり資産を増やしたか、含み損を取り戻したはず。今後、さらに株価が上がっていくなら、いっそうの資産増が望めるかもしれない。

 それに、年金資産などを自己運用していない人にとっても、株高は大歓迎だ。

「例えば、生命保険会社も運用利回りが良くなるため、貯蓄性の高い生命保険の場合、配当が支払われるようになります。株投資をしていなくても、生命保険に加入していればメリットがある」(前出・植木氏)

 さらに言えば、国による社会保障基金の運用も好転するので、将来の社会保障負担が軽減されていく可能性も出てくる。年金や医療費の自己負担分はどんどん上がり続け、あるいは破綻するかもしれないと言われたが、その不安が解消されるかもしれないのだ。

 そして一般の人に「日本は大丈夫だ」という安心感が広がれば、それが活発な消費活動の呼び水となり、いっそう、景気回復と成長が進んでいくことになる。

「2月19日に発表された百貨店の売上高を見ても(1月の売上高が前年同月比で2ヵ月ぶりにプラス)、高額商品の売り上げが増えています。宝飾品など貴金属の売り上げと株価は連動します。株を持っている人は、所有株に含み益が出てくると、気持ちに余裕ができて消費活動に向かう」(前出・永濱氏)

 株高で儲かっている人々が買い物や旅行、娯楽などで消費活動をすれば、小売業界やサービス産業の景気も良くなる。結果的にそこで働く人たちも好景気に沸き、すべてが上手く回り始める。たとえ投資をしなくとも、カネは巡り巡って、結果的に誰もがトクをすることになるわけだ。

 一方で、経済活動を支える企業サイドの視点でも、株価が大幅に上がって悪いことなどほとんどない。

「株価が上がった企業は時価総額が増えるため、それを担保に借りられる資金が増えます。資金調達がしやすくなるのです。その資金で設備投資やM&A(合併・買収)が可能となり、企業の再編も進む。日本企業の成長力はさらに高まります」(前出・植木氏)

 以前に比べ割合は落ちているとはいえ、企業は互いに株式を持ち合いしているケースが多い。そうした企業は、株価が軒並み上がれば含み益が増えるわけで、とくに、大量に企業の株を保有している銀行や生保にも大きなメリットだ。そうなれば、貸し渋りや貸し剥がしで批判を浴びた金融機関も、融資の基準を緩和する可能性が出てくる。

シャープだって復活する

「金融緩和でカネ余りの状態ですし、銀行はおカネを貸しやすくなります。とはいえ、内部留保をたくさん持っている大企業は融資の必要性があまりない。そこで、多少のリスクがあっても、銀行は中小企業に融資をするようになります。そうなれば中小企業の景気が良くなります」(マネーパートナーズのアナリスト・藤本誠之氏)

 企業の景況感が回復し、個人が動き出せば、不動産の価格も上がっていく。そうなれば、不動産を持っている人は自動的に含み資産が増えていくので、個人も自宅を持っているだけで、資産家の気分を味わえる。

「株価が1万5000円を超えると、5000万円以上の物件が飛ぶように売れるようになると思います。もし'07年以来の1万8000円台ともなれば、本来の価格より高くても買う、例えば1億円の物件を1億5000万円で買うような人も現れてきます」(榊マンション市場研究所・榊淳司氏)

 他にも、国内産業が息を吹き返せば、人材確保という点でも有効だ。

「国内での設備投資が増えていけば、ここ数年続いていた、韓国や中国への優秀な技術者の流出に歯止めがかかります。例えばシャープは、海外との競争でテレビが売れなくなり亀山工場などの稼働率が低下、人材が流出しましたが、円安で国内生産も採算が取れるとなれば稼働率も復活します。優秀な技術者がいれば、新製品開発への期待も高まる」(前出・高山氏)

 となれば、アベノミクスの最終目的「成長戦略」も現実味を帯びてくる。

「株高により、成長産業への期待が高まっています。医療、介護サービス、環境、エネルギーといった新事業への具体的な取り組みや、資金の流れがどんどん進んでいくでしょう」(ちばぎんアセットマネジメント・奥村義弘調査部長)

 意外なところでは、こんな方面の期待もある。

「景気が良くなり、年金などの不安も和らげば、結婚する人が増えて、子どもをつくる若者も増えていくはず。つまり少子化に歯止めがかかるかもしれません」(前出・藤本氏)

 これまで、「日本はもうダメだ」という空気が蔓延していた。だが、そうではなかった。国民が"明日"を信じられれば、国の活力が湧いてくる。

「日本はこれから変わる」

 その思いこそが、日本経済を前に推し進め、見渡す世界を変える強力なエンジンとなるだろう。

「週刊現代」2013年3月9日号より





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