円安 金融緩和 アベノミクスで日本企業は草刈り場 (日刊ゲンダイ2013年3月7日)

円安 金融緩和 アベノミクスで日本企業は草刈り場
【政治・経済】
日刊ゲンダイ2013年3月7日 掲載


シャープはサムスンにのみ込まれる

 6日発表されたシャープとサムスンの資本提携。金策尽きて、かつてのライバルに助けを求めたわけだが、円安のせいで、「日本企業を買いたたくのは今だ」と海外勢が舌なめずりしているという、恐ろしい背景もある。

 経営再建中のシャープの頭痛のタネは、9月に待ち受ける2000億円の転換社債の償還だ。メーンバンクに「返すアテ」を示せなければ、追加支援を受けられず、償還できずに“ジ・エンド”。サムスンにすがるしかなかった。

「サムスンと提携することで、主力事業である液晶パネルの安定供給先を確保できる。銀行にも、〈収益向上のメドが立った〉と申し開きもできます。が、今後シャープはサムスンに命綱を握られていく可能性が高い。今はまだ“お見合い段階”ですが、当然、サムスンは出資比率を高めてシャープをのみ込んでしまうことまで考えているでしょう」(経済ジャーナリスト・井上久男氏)

 サムスンは、シャープの第三者割当増資を約103億円で引き受け、株式の約3%を握る5番目の大株主に。3%とはいえ、金融機関を除けば、持ち株比率はトップだ。

「今のシャープは経営陣を含め、上から下までバラバラ、まさにシャープさに欠け、国内で救いの手を差し伸べてもらえない。だから、サムスンがたった100億円で、金額以上の発言権を持てるわけです」(経済評論家・倉多慎之助氏)

<外資ファンドや赤いマネーが舌なめずり>

 今後、シャープは、サムスンの下請け、部品工場と化していく。それを見たLGなどの韓国企業や海外勢はどう思うか。日本企業を買いたたこうと、触手を伸ばしてくる恐れがある。それを後押しするのがアベノミクスの金融緩和と円安だ。金融ジャーナリストの小林佳樹氏が言う。

「ここにきて海外のアクティブファンド、いわゆる“モノ言う株主”が日本株の買い増しをエスカレートさせています。欧米に加えて日本が金融緩和を進めることで、世界的なカネ余りが加速し、資金を調達しやすくなっているのです。ドイツ銀行の年次調査によると、13年の世界のヘッジファンドの新規資金は前年比3倍以上になる見通しです。ジャブジャブ余った世界中のマネーが、舌なめずりしてアベノミクスの日本に狙いを定めている。円安が進むほど安い円をどんどん調達でき、日本企業を買収しやすくなりますからね」

 日本企業は草刈り場になりかねないのだ。

 おまけに、欧米ファンドの資金には赤いマネーも入っている。中国政府系ファンドはすでに名だたる日本企業の株を大量保有し、時価総額は4兆円を超える。電機業界では、昨年9月末時点で、NECや日立(3位)、ソニー(4位)、パナソニック(5位)の大株主だ。今は「静かな株主」だが、いつ本性を現してもおかしくない。

「アクティブファンドは高い配当や資産売却を要求してきます。ハゲタカとなって日本企業に買収攻勢をかけてくることも考えられる。背後にいる中国系が日本の優れた技術や人材を狙ってきても不思議ではありません」(小林佳樹氏=前出)

 今回のシャープの一件は、ほんの序章に過ぎないのだ。

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