アベクロ・バブルの教祖新たな「お告げ」 浜田宏一登場「株高と円安私にはここまで見えている」

ぶちぬき大特集アベクロでGO! 
アベクロ・バブルの教祖新たな「お告げ」 浜田宏一登場「株高と円安私にはここまで見えている」

週刊現代2013年03月18日(月)



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〔PHOTO〕gettyimages

 かつての日本は、バブル経済に沸いていた。30代以下は未経験の、あの好景気の世の中が再び現実のものとなる。安倍首相と黒田日銀総裁がもたらすアベクロ・バブルの世界に、ひと足早く案内しよう。

アベノミクス「私が育てた」

「3月19日に日銀の白川方明総裁が退任し、黒田東彦新総裁が就任します。黒田総裁に岩田規久男、中曽宏の両新副総裁を加えたトロイカ体制の出帆で、いよいよ日本経済復活に弾みがつくでしょう」

 こう笑顔で語るのは、アベクロ(安倍・黒田)・バブルの〝教祖〟と崇められているイェール大学名誉教授の浜田宏一・国際金融担当内閣参与(77歳)だ。


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 アベノミクスに黒田総裁が加わったアベクロ・バブルで市場は沸き立っている。

 3月7日の東京証券市場は、ついに日経平均株価が1万2000円の大台に乗った。実に4年5ヵ月ぶりのことである。

 その前日も、NY市場の5年5ヵ月ぶりの史上最高値を受けて、ほぼ全面高となり、日経平均株価は248円も上昇した。

 カブドットコム証券の証券マンが語る。

「7日には1万2000円超え記念で社員全員に500円玉が配られました。このところ、兜町界隈の高級寿司屋やうなぎ屋などに客足が戻ってきており、ミニ・バブルの活況を呈しています。これで銀座の高級クラブにも客足が戻れば、本物のバブルだと言っています。若い社員たちはこれまでバブルを経験したことがないので、'80年代のバブルを味わわせてやりたい」

 3月4日、5日には黒田、岩田、中曽各日銀正副総裁候補の所信聴取が国会で行われたが、時折、与党席から歓声が上がるなど、明るいムードに終始した。

 3人の所信聴取は全体として、安倍首相と浜田参与が唱える大胆な金融緩和に追随する答弁で、白川時代と較べて政策の大転換が決定的となった。

 そんな中、アベクロ・バブルの〝教祖〟と言われる浜田参与に、改めて話を聞いた。

—いまや海外でも認知されたアベノミクスに、国民は大きな期待を寄せています。アベノミクスの「生みの親」としての心境はいかがですか?

浜田 アベノミクスという言葉は、私の造語ではなく、中川秀直元官房長官が名付け親です。私は言ってみれば、育ての親の一人に過ぎません。

 でもいまや、ワシントンでもアベノミクスという言葉はそのまま通用するようになったので感慨深いものがあります。

—黒田新総裁を安倍首相に推薦したのも、浜田参与だったとか。

浜田 そう言われるとそうだったかもしれませんが、お決めになったのは、あくまでも安倍総理ご自身です。

—いつ黒田氏を安倍首相に薦めたのですか?

浜田 昨年11月に解散総選挙が決まった頃、当時の安倍自民党総裁からアメリカの私のところへ電話をいただきました。その時、日本の取るべき金融政策について、助言をしました。その最後に私が、「来年4月に任期が切れる次期日銀総裁の候補の人選が重要ですね」と申し上げました。

 すると安倍総裁が「誰が適任と思われますか」と聞いてきたので、私は3人か4人の名前を挙げました。今回総裁、副総裁に指名を受けた黒田、岩田両氏も、その中の二人です。

—黒田新総裁との交流は昔からあったのですか?

浜田 最初にお会いしたのは、たしか私が東大経済学部助教授だった1970年代のことです。俗に「六甲コンフェレンス」と呼んでいた計量経済学研究会議の幹事を私が務めていて、当時、大蔵省(現財務省)の官僚だった黒田氏に講演してもらいました。

 その講演は「日本における貨幣の役割」というタイトルで、理路整然と貨幣の重要性について述べられた。私はすっかり感心してしまい、教え子の大学院生たちから「浜田先生は外部の人に甘いですね」と言われたことを覚えています。

—それから親交を深めたわけですか?

浜田 そういうわけでもありません。何かの会合で会えば、挨拶を交わす程度です。

 '80年代末の日米構造協議の頃、たまたまワシントンから東京への機上で、ご一緒したことがありました。その時、日本側の官僚の中で黒田氏が遅れてワシントン空港に現れ、大量の洋書を抱え込んでいました。

 英語の経済書や教養書などを買い込んだんですね。その時に改めて、勉強熱心な官僚だと感心しました。

—一番直近で黒田氏と会ったのはいつですか?

浜田 昨年の春だったでしょうか。私は「日本の経済、特に金融政策はどう間違ったのか」というテーマを研究していて、アジア開発銀行総裁の黒田氏にインタビューを申し込んだんです。そうしたら、たまたまマニラの本部から帰国した折に、面会に応じていただきました。

 アジア開発銀行総裁として、金融政策がアジアに及ぼす効果について、示唆に富んだ話をしてくれました。人格、識見ともに素晴らしい方だと再認識しました。

ジョージ・ソロスからの手紙

—新副総裁の岩田規久男氏とも、長年の付き合いですか?

浜田 岩田氏は学習院大教授で、昭和恐慌研究会という研究会を持っていました。私は研究会のメンバーではないけれども、近い関係にありました。

 岩田氏はこの3月で、学習院大学を定年退職されるので、1月に開かれた最終講義は、私も聴講に行きました。

—浜田参与はこのところ、安倍首相と頻繁に食事をともにしていますが、どんな話をしているのですか?

浜田 安倍首相は2月22日にワシントンでオバマ大統領と日米首脳会談を行いましたが、その翌朝に朝食をともにしました。ホワイトハウスの迎賓館にあたるブレアハウスでです。

 総理が日本にいる時は大変多忙で、ゆっくりお話しする時間もないので、アメリカで日本経済の動向やアメリカ政府の事務職員の様子などについて説明しました。

—具体的にお話しされた内容を教えてもらえませんか?

浜田 アベノミクスという言葉は、すでにワシントンでも市民権を得ているという話をしました。総理の講演もとても的を射ていたという聴衆の感想もです。

 いまの私は日本とアメリカを半々という生活ですが、この頃は、アメリカでの生活も悠々自適とはいかなくなりました。米財務省の人々からは、アベノミクスによって日本経済が一刻も早く回復してほしいと言われます。証券会社や投資関連の人々からも、面会希望が増えています。

—アベノミクスについて解説してほしいということですか?

浜田 大方はそうですが、違う話も来ます。例えば、あのジョージ・ソロスの友人という人から、アメリカの私のオフィスに手紙が届きました。「万が一、大幅な金融緩和に熱心でない人物を日銀総裁に指名したら、われわれも世界も日本を見捨てるだろう」と書かれていました。ジョージ・ソロスから脅迫状(?)をもらえるなんて、世界から評価された証拠でしょうと、安倍首相に申し上げました(笑)。

—安倍首相は目が点だったのでは?

浜田 そうでしたね。続けて私は申し上げました。投機家は一般市民の財産を奪うことはできても、政府を破産させることはできないからご安心くださいと。なぜなら政府は紙幣を印刷できるからです。ただ日本人投資家が損をしないように、日本を投機の対象にされないようにしないといけないと助言しました。

—たしかに著名な投資家のジム・ロジャーズも「日本株は買いだ」と宣言していますし、海外の注目も当分は続くでしょうね。

 ところで安倍首相がアメリカから帰国してからも、3月1日に、安倍首相とランチをともにしていますね。

浜田 そうです。ようやく日銀総裁、副総裁問題にメドがついた段階で、足かけ15年にわたったデフレから、どうやって脱却していくかといった議論をしました。

—デフレ脱却と言えば、この数ヵ月で、為替と株はすでに随分と改善されています。安倍首相は2月28日の国会答弁で、民主党議員から「いま安倍政権がやっていることは、すべて民主党時代に準備してきたことだ」と指摘されました。それに対して「政治というのは結果がすべてなんです」と答弁していました。3月7日にも海江田民主党代表に対して、同様の答弁をしています。

浜田 その通り、論より証拠、大事なのは結果です。実際に、円安と株高は随分と進みました。昨年11月16日に野田前首相が衆議院を解散した時の円とドルの為替は、1ドル1円12銭でした。それが3月7日現在では、94円13銭。16%も円安に改善されています。

 日経平均株価も同様です。昨年11月16日は終値が9024円。それが3月7日の終値は、1万1968円。実に32%も上昇しているのです。

—まさに浜田参与が安倍首相に指南してきたアベノミクスが成功している構図ですね。

浜田 最初は安倍首相がアベノミクスを進めていくと言っても、仲間の自民党議員たちでさえ、半信半疑でした。それがいまは、皆で一致団結してアベノミクスを成功させようという気運が高まっています。

 例えば、甘利明経済財政担当大臣とは、甘利大臣がダボス会議で見聞された〝通貨戦争〟を巡って議論しました。

 3月6日には、野党・みんなの党の渡辺喜美代表からも、日銀総裁人事について意見を伺いました。渡辺代表は、「元財務省出身者は日銀総裁として不適切だ」という意見ですが、日本経済を復活させたいという目標と、日銀法改正の重要性は同じだということを再認識しました。

為替の数字を述べよう

—ところでアベノミクスが注目されると、反対意見も出てきます。

 2月27日付『朝日新聞』には斉藤誠一橋大教授による強烈な浜田批判が載りました。「物価が2%上昇すると金利は3%になり、企業コストが膨らみ、国債価格が急落して国も銀行も企業も困る」という主張です。

浜田 斎藤教授の理論は、貨幣とモノ・サービスは分離されているので、貨幣政策によってモノ・サービスの向上は図れないというものです。だがリーマン・ショック後の世界は、貨幣とモノ・サービスとが切り離せないことを示した。

 一時の流行で貨幣の役割を無視する経済学を教えられる学生はかわいそうですし、それで苦しむ国民はもっと気の毒です。患者が目の前で苦しんでいるのに、「景気をよくする医者」である経済学者が動かないでどうするのですか。

 私は斎藤教授には、経済政策についてインタビューを申し込んだことがありましたが、「自分は純粋な経済学しか追究しない」という理由で断られました。それが『朝日新聞』のインタビューで私を大々的に批判するのは研究で、私との討論は研究でないのでしょうか。

—そうですね。ところで、誰もが気になるのが、アベノミクスは本物なのかということでしょうが、いかがですか。

浜田 安倍首相は日本経済成長のエンジンを、「3本の矢」と呼んでいます。すなわち大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間の投資を引き出す成長戦略です。

 いまはようやく日銀の新体制が決まり、大胆な金融政策の準備が整いつつあるという段階です。すべては今後の「3本の矢」の実行次第です。

—安倍首相と浜田参与は「3本の矢」のすべての政策で一致しているのですか。

浜田 安倍首相は、2月12日に経済3団体のトップたちを首相官邸に招いて、「業績が改善している企業は報酬を引き上げてほしい」と、注文をつけました。

 しかし私は、実質賃金をすぐに上げると、企業の体力が弱ってしまうので、不況業種では賃金上昇は慎重に行ったほうがよいと申し上げたことがあります。これは、賃金を上げるなということでは、決してありません。まずは企業の業績改善を優先させ、少し余裕が出た企業から順に賃金を上げていく方が、景気回復の足を引っ張らないだろうということです。これは甘利大臣からも言われましたが、ニュアンスの差です。

—最後にズバリ聞きますが、株高と円安は今後、どこまで進むでしょうか。

浜田 米財務省で、為替の数字を政府関係者が述べるのは変動制のルール違反だと叱られました。学者として言えば、1ドル100円前後が穏当。長期的に110円に落ちつくと、競争力から考えて少し行き過ぎでしょう。もっとも名目為替レートや株価は、よく反転などが起こるものですが。

 日銀が適切な政策に転ずれば株価は、まだまだ上昇する予兆があります。NY株式市場も3月5日に、5年5ヵ月ぶりに市場最高値を更新しました。安倍首相にはアベノミクスで日本経済を回復させてほしいものです。

「週刊現代」3月23日号より





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