【日刊闇株新聞】 NSAによる情報監視を巡る続編 (2013年06月26日)

NSAによる情報監視を巡る続編
日刊闇株新聞2013年06月26日


NSAによる情報監視を巡る続編

 NSA(国家安全保障局)による通話記録や電子メールなどの「情報監視」を英米紙に暴露して香港に逃亡していた元・CIA職員のエドワード・スノーデン氏が、6月23日にモスクワに移動しました。

 米国政府によってパスポートを無効化されているはずのスノーデン氏は、モスクワのシェレメチェボ空港内から直接アエロフロートでキューバのハバナに向かい、そこから亡命予定先の南米エクアドルへ向かうとされていましたが、文字通り消えてしまいました。

 6月24日のモスクワ・ハバナ便は、鈴なりの報道陣だけを乗せて飛び立ちました。

 パワーバランスが、やや変わったような気がします。

 まず米国政府は、スノーデン氏の身柄引き渡しを香港政庁(要するに中国政府)に求めていたので当然のように厳重抗議したのですが、中国政府は「香港は高度の自治が認められており、香港の法律に基づいた判断」としらを切られてしまいました。 

 米国政府はロシア政府にも抗議したのですが「(シェレメチェボ)空港に乗換えで立ち寄っただけの旅行者」とこれも無視されてしまいました。

 米国はキューバと国交がなく、亡命予定先といわれる南米エクアドルのコレア大統領は、ベネズエラの故チャベス大統領と並ぶ急進的反米主義で知られています。親米の隣国コロンビアと一時国交を断絶していたほどです。

 つまり米国政府は、怒りをぶつける先が無くなってしまっただけではなく、本当にスノーデン氏の身柄を確保できなくなる可能性が出てきました。まだ香港(中国)に滞在してくれていた方が「何とかなる」可能性があったかもしれないのです。

 スノーデン氏は香港を去る直前に「(NSAの情報監視の)証拠文書をあと数千点保有している」「NSAのコンサルタント会社に就職したのは、これらの証拠を手に入れるため」と言い残しているようです。

 スノーデン氏が香港に滞在している間、米国政府が比較的冷静にいられたのは、「スノーデン氏は持っている証拠のほとんどを既にマスコミに公開しており、これ以上の極秘情報は保持していない。従って中国政府にとっても価値が無いため、そのうち(多少のバーター条件で)身柄を引き渡すだろう」とタカをくくっていたように思います(本誌もそのように思っていましたが、新しい局面に入ったようです)。

 先ほど、パワーバランスはやや変わったと書いたのは、本当に未公開の証拠が数千点もあるのか、あるいはそれに価値があるのかガラクタなのかは、スノーデン氏しか知りません。つまりスノーデン氏の「国際的潜在価値」が急上昇したのです。

 高度な「ポーカーゲーム」が始まったことになるのですが、とりあえず今のところは米国政府の「1人負け」です。

 それではスノーデン氏は、このままエクアドルに亡命するのでしょうか?

 エクアドルは、最終亡命先としては適当ではありません。政情が不安定で、現政権が倒れて親米政権ができる可能性もあります。もともとエクアドルは外貨を稼ぐ石油輸出で米国に依存しており、また2000年に自国通貨を米ドルに切り替えています。つまり国内のドルを無力化される危険性があるのです。

 何よりも治安が悪く、それこそCIAが刺客を送り込むことも難しくありません。またスノーデン氏が望む「個人のプライバシーが保護されている国」とはとてもいえません。

 多分、自国民を世界で最も大事にするアイスランドに亡命を望んでいるはずですが、パワーバランスが変わった現在では、難しくなったような気がします。

 アイスランドは、930年に世界最古の民主議会「アルシング」を開催しました。また2003年から2007年にかけて高金利でGDPの10倍(キプロスよりもひどい)もの銀行預金を英国・オランダなどから集めて内外の不動産に投資し、2008年の金融危機で「大バブル」が弾けてしまいました。

 ところがアイスランド政府は、外国からの預金・債券(780億円の円建て外債を含む)をすべて踏み倒し、アイスランド国民(だけ)の預金を全額保護し、さらに担保不動産の値下がり分に相当するアイスランド国民(だけ)のローンを免除してしまいました。

 「国際的潜在価値」が急上昇しているスノーデン氏の亡命を受け入れると、アイスランド国民の平和を乱す可能性があるからです。


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