【高橋洋一 「日本」の解き方】 周波数割り当て、既存事業者が恩恵得る構図 電波オークション導入せよ

周波数割り当て、既存事業者が恩恵得る構図 電波オークション導入せよ
ZAKZAK2013.08.01
連載:「日本」の解き方

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130801/dms1308010741006-n1.htm

 ソフトバンクの孫正義社長は電波割り当てについて総務省に抗議した。KDDI系の高速データ通信会社UQコミュニケーションズとソフトバンク系のワイヤレスシティプランニング(WCP)が電波割り当ての申請を行い、総務省はUQに決めたが、孫社長はそのプロセスが不透明と主張、一般紙ではあまり取り上げられていないが、ネット上で話題になっている。

 携帯電話やデジタル放送などで必要不可欠な電波は、いうまでもなく国民の公共財産である。今の日本の仕組みでは、電波周波数を総務省が管理し、事業者に割り当てている。

 スマートフォンの普及によって大量データ通信の時代になり、電波の確保は通信事業者にとって死活問題だ。こうした役所と規制業種の関係は、かつては霞が関のどこの役所でもよく見られた話で、今回問題になっている総務省の電波割り当ても、従来の役所と規制業種の関係と同じだとみると理解しやすい。

 孫社長が主張するのは、電波割り当てのプロセスに問題があるという点だ。事前に新聞にリークされたり、審議会の議論が形骸化していたり、UQやKDDIに総務省からの天下り官僚がいるといった指摘だ。

 ただ、審議が形だけなのは、ソフトバンクも承知のはずだ。実際、孫社長は記者会見で、今回割り当て予定の周波数帯計20MHz幅に対して、総務省側から「10MHz幅にしてくれ」といわれたことを明らかにしている。ソフトバンクも審議会以外のところで、総務省と内々の交渉をしていたわけだ。天下り官僚を受け入れているのは、どの業界でも情報が欲しいからだ。

 より本質的な問題は、ソフトバンクですら今の割り当て制度を前提としているということだ。イー・アクセスは昨年6月に電波周波数割り当てを受け、今年1月に同社をソフトバンクが傘下にしたことから、同社は割当制度によって既に十分な周波数を得ているのだ。

 一方、にわかに信じられないが、ソフトバンクは民主党との距離が近いため、自民党政権はソフトバンク叩きとして、民主党政権で閣議決定した電波オークション(競争入札)を白紙にしたという話も伝わっているほどだ。

 実は、先進国34カ国中、電波オークションを実施していないのは日本を含めて3カ国しかない。電波が国民の公共財産である以上、財政法などの趣旨からもオークションは当然のことだ。ちなみに、近年、各所の入札が随意契約から競争入札に移行しているが、電波でまだ割り当て制というのは、随意契約でいくといっているのと同じだ。

 電波オークションという先進国の常識は早く取り入れないと、日本にとってよくない。一刻も早く電波オークションの導入が望ましい。そうなれば、天下りはなくなり、選定プロセスも透明化され。財政収入も増える。電波という貴重な資産を割当制でいいのか、マスコミ関係者はもう少し考えてみよう。

(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)





日銀新政策の成功は数式で全部わかる! [ 高橋洋一(経済学) ]
楽天ブックス
白黒はっきりつけよう! 高橋洋一(経済学) 徳間書店日銀 国債買い入れ GDP 経済政策 発行年月:


楽天市場 by 日銀新政策の成功は数式で全部わかる! [ 高橋洋一(経済学) ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



この記事へのコメント

この記事へのトラックバック