【「日本」の解き方】 国際会議は各国が一方的に宣言する場所 増税撤回でも国際公約違反にならない

国際会議は各国が一方的に宣言する場所 増税撤回でも国際公約違反にならない
ZAKZAK2013.08.04
連載:「日本」の解き方

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130804/dms1308040727002-n1.htm

 消費増税について、「国際公約だから実行すべき」「先送りすれば日本の信認が失われる」といった議論がよくある。そもそも「国際公約」とは何か。そして国際公約を実行しないとどんな問題が起こるのか。今さら誰にも聞けないことを解説しよう。

 まず、「国際公約」が行われているとされる国際会議とはどういうものだろうか。主なものとして、G7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)がある。G7は日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの財務相と中央銀行総裁がメンバー。G20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)は、G7に加え、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、南アフリカ、サウジアラビア、トルコの財務相と中央銀行総裁に、EU議長国の財務相と欧州中央銀行(ECB)総裁などが参加する。

 これらの国際会議は、その場で新たな約束を各国間で行うのでなく、既に各国で決められている内容を披露する場である。先進国では、政府の権能は国会の議決の範囲内であるので、国際会議で国会の意向を無視して勝手に国として約束することはできないというのが基本である。

 となると、「国際公約」という言葉自体が怪しくなってくる。消費増税についていえば、「景気回復などの環境が整えば、消費税率を予定通り上げる」と国際会議で発言されるが、これは、昨年に成立した消費税増税法の内容で、決まったことである。

 もちろん、無条件で消費増税するというわけではなく「景気回復などの環境が整えば」なので、その条件整備を秋に判断するのだから、何も目新しいことを言っていない。要するに、「国際公約」とは、国内で決まったことを一方的に国際会議の場で宣言することといえる。

 ところが、消費増税派は、増税の環境条件のところを無視して、増税することのみを強調する。条件を見極めて増税を撤回しても、「国際公約」違反にはならない。要するに、昨年に成立した消費増税法を改正して、消費増税を延期したとしても、前の「国際公約」に反しないし、それが新たな「国際公約」にもなるのだ。

 国際会議において各国ともに「国際公約」として一方的な宣言をするが、仮に国内法によってそれが変更されても、各国ともに変更した国を非難することはない。

 それに、「消費増税しないと日本の信認が失われる」というのもおかしい。リーマン・ショック前後の欧州での消費増税の例をみると、増税は経済成長を阻害している。2000年以降の例をみると、増税前は駆け込み需要で0・3%成長率が高まるが、増税時に1・1%も下がる。これを見ると、消費増税なしのほうが日本は成長し、その信認が高まるはずだ。

 消費増税して経済成長率が下がったり、落ち込みを防ごうとむちゃな財政支出を行って財政が悪化したら、そのときこそ日本の信認は失われることになるだろう。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)






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