【日刊闇株新聞】 米国連邦債務問題の行き着く先 (2013年10月09日)

米国連邦債務問題の行き着く先
日刊闇株新聞2013年10月09日

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米国連邦債務問題の行き着く先

 米国では債務上限の引き上げを巡り、オバマ大統領と下院で多数を占める共和党の調整が「大難航」しており、今月17日にも政府の資金が「完全に底をつく」ようです。一部政府機関が閉鎖されているのは10月から始まる新会計年度の予算が成立していないからですが、債務上限が引き上げられないと国債が発行できないので状況は同じことです。

 米国行政の最高責任者はオバマ大統領ですが、債務上限の引き上げは議会の承認が必要です。これは「官僚組織がいつのまにか内閣と議会を操って何でも都合よく押し通してしまう」日本に比べると(注)、はるかに健全な仕組みで「究極的には通貨と国債の価値を守る」ことになります。

(注)確かに日本でも赤字国債発行には議会の承認が必要で、実際に昨年はなかなか承認されなかったのですが、所詮は官僚(当時は勝栄二郎・財務次官)の掌の上での争いでした。

 そうはいっても現状では、オバマ大統領と野党・共和党の間の「溝」は大きく、双方とも簡単には妥協しそうにありません。これでもって米国国債のデフォルト(確かに利払いができなければ教科書的にはそうなるのですが)を本気に心配している評論家も多いのですが、双方ともそこまで愚かではありません。

 たぶん国債の利払いを含む最小限必要な暫定予算だけを通過させて、まだまだ戦い続けることになりそうです。つまり、いつまでたっても根本的には解決しないような気がします。

 問題は連邦債務上限なので、政府が「ちょっとどこからか(例えばFRBとか日銀とか)借りてくる」わけにもいきません。米国の通貨発行権について書き始めるとたいへんに長くなるので別の機会にしますが、少なくとも現状はオバマ大統領には「方法」がありません。

 現行法でも、米国政府(財務省)がFRBからレポで調達した国債を売却して資金化することは可能のような気がするのですが、レポが債務かどうかを厳密に考えれば難しいかもしれません。

 このままオバマ大統領と野党・共和党が最後まで妥協しなかったら、どちらが「より大きなダメージ」を受けるでしょう? 争点となっているのはオバマ大統領の提唱する国民皆保険を含む保険制度改革です。確かに保険制度改革は国民全体のためともいえるのですが、現在の混乱により国民全体に不便を強いる状態が続いていることも事実です。

 しかし行政全般(外交も含みます)と軍隊の最高責任を1人で担うオバマ大統領に対し、共和党の議員は多数いるため、批判の集中度が全く違います。つまりオバマ大統領の方が圧倒的に不利な立場といえます。

 それでは共和党が、国民からの不満が極限に達したタイミングで「オバマ大統領の辞任と引き換えに債務上限と予算を承認する」としたらどうなるでしょう?

 もしそうなると誰が大統領となるのでしょう?

 憲法上の順位ではバイデン副大統領ですが、もちろんオバマ政権の副大統領なので「連帯責任」となります。

 その次が、ベイナー下院議長です。

 つまりベイナー下院議長は、自らの議会運営方法によっては「大統領になれるかもしれない」ことになり、しかも状況が深刻になればなるほど「大統領が近づいてくる」のです。

 突拍子もないことかもしれませんが、頭の片隅に入れておく必要があります。

 ジョン・ベイナー下院議長は1990年から下院議員を務め、共和党の下院院内総務などを歴任している議会運営のプロです。したがって特定の業界(特に軍産複合体)とのつながりが強いわけではありません。

 シリアに軍事介入ができなかったので軍産複合体がオバマ大統領に不満を持っているというのは「あまりにも安直な陰謀論」ですが、内政・外交とも最近は指導力が大きく低下しているオバマ大統領に対しては「いろいろな外的要因」が働いてもおかしくないのです。

 それから話題が全く変わるのですが、みずほ銀行の反社会勢力への融資問題で、佐藤頭取も「知りうる立場であった」ことが明るみに出たようです。旧富士銀行と旧第一勧業銀行との闘争に完勝したはずの旧日本興業銀行出身の佐藤頭取が、足元をすくわれる可能性も出てきました。

 誰に? それは近々書くことにします。


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