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zoom RSS 【日刊闇株新聞】 ECBの追加金融緩和 (2014年09月10日)

<<   作成日時 : 2014/09/10 10:15   >>

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ECBの追加金融緩和
日刊闇株新聞2014年09月10日

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1219.html

ECBの追加金融緩和

 少し時間が経過したのですが、欧州中央銀行(ECB)は9月4日に主要政策金利を0.15%から0.05%へ、銀行への貸出金利である上限金利を0.4%から0.3%へ、銀行から預かる預金金利である下限金利をマイナス0.1%からマイナス0.2%へ、それぞれ0.1%ずつ引き下げました。

 8月29日に発表されたユーロ圏消費者物価指数(8月・速報)が前年同月比0.3%まで低下していたため、間髪を入れずに低迷するユーロ圏経済に資金を供給する措置を講じたものです。ユーロ圏の消費者物価指数は2011年秋の3.0%から一貫して低下しています。

 ECBの金融緩和とは、FRBや日銀のように長期国債などを直接的に購入して資金を供給する量的緩和ではなく、あくまでも資金を銀行に供給して銀行が貸出や債務問題国の長期国債購入などを通じて利鞘を確保できるようにする「伝統的な」金融緩和です。

 今回の決定も(10月からのABS購入はあとからでてきます)、基本的にこの「伝統的な」金融緩和をさらに強化するものです。

 ここで銀行がECBに余剰資金を預金しておくと金利がマイナス0.2%(法定準備預金は除くはずです)となるので、銀行は余剰資金をさっさと自行に持ち帰って貸出や債務問題国の長期国債などに資金を振り向けるのかというと、そんな単純なものでもありません。

 ドイツの2年国債利回りがマイナス0.08%となっているように、ただ現金を預金しておくだけとか、リスクが限りなくゼロに近い高格付けの短期債券を保有するだけだと、得られるリターンがマイナスとなる金利体系となっただけです。

 ゼロ金利より「ほんの少し」は効果がありそうですが、それでは日銀が真似できるのかといえば「絶対に」できません。

 なぜなら直近の日銀は231兆円の国債を保有していますが、その資金は86兆円の日銀券(つまり現金)と152兆円の当座預金で賄っていますが、その152兆円の当座預金には0.1%の金利をつけて繋ぎとめています。

 この金利をゼロとかマイナスにしてしまうと、この当座預金は「あっと」いう間に激減して日銀は保有する国債の大半を持ちきれなくなってしまいます。少し前まで日銀には「国債保有を日銀券の範囲内にする」日銀券ルールがあったのですが(注)、黒田総裁が「異次元」量的緩和を導入するときに完全に反故にしてしまいました。つまり日銀は完全にヘッジファンドになってしまっているのです。

(注)白川・前総裁の時代は、資産買入等の基金で保有する国債は「あくまでも緊急避難的な量的緩和のための取得」であるとして日銀券ルールの適用外にしていました。

 話をECBに戻しますが、9月4日の決定でもう1つ重要なポイントは、10月から貸出資産担保証券(ABS)の買入れを始めると表明していることです。これはECBが自らリスク債券を購入するため量的緩和となります。

 実はECBは今まで量的緩和に踏み切っていません。例外的に2010年のギリシャ・ショック時(1回目)に2100億ユーロのギリシャ国債などを購入したことと(これはギリシャの債務再編で利益が出たはずです)、2012年に債務危機問題がイタリアやスペインにまで拡大しそうになったときに残存年数が1〜3年の問題国の国債を無制限に買い入れると表明した(実際は未実行)だけで、景気対策のための量的緩和には踏み切っていませんでした。

 そのような意味では「初めての量的緩和」となりますが、そもそも欧州市場のABS市場は2000億ドルほどしかないため、量的緩和としては不十分と考えられているようです。

 銀行が貸付債権を証券化してECBに売却すれば、それだけ新たに貸出を増加させる可能性もあり、日銀のように長期国債を野放図に買い続けるよりもはるかに「正鵠を得た金融緩和手段」となります。

 9月4日のECBの決定を受けてユーロの対ドル相場は、1ユーロ=1.3153ドルから一時1ユーロ=1.2860ドル(日本時間9月9日夕刻)まで下落しています。本年5月初旬には1ユーロ=1.3992ドルの高値となっていました。

 これは、マイナス金利、ABS購入、または近い将来の本格的な量的緩和(国債の大量購入?)のどれかに反応しているのですが、ECBが本格的な量的緩和に踏み切る可能性は低いと考えます。

 もし現在のユーロ安が、ここに反応しているのであれば、早晩ユーロは下げ止まり、いくらかは反発することになりそうです。


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