【日刊闇株新聞】 日銀の金融政策は正しいのか? 前半 (2014年09月24日)

日銀の金融政策は正しいのか? 前半
日刊闇株新聞2014年09月24日

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1230.html

 中央銀行の役割は金融政策を通じて経済活動を「間接的に」コントロールすることですが、より広義には通貨価値(魅力)を国際的に維持することと考えます。

 本誌がいつも主張する「円の国際化」も「国債の海外保有の拡大」も、すべてこの「通貨」の価値(魅力)の維持が大前提となります。

 日本の1000兆円をこえる公的債務残高は消費税を10%に引き上げても絶対に減らず、公的債務が国内金融資産で賄われているうちに国債の海外保有を拡大しておくことが、はるかに現実的な解決方法となります。

 「円の国際化」が進めば海外における「円の保有」も進み、その運用手段として国債が自然に海外で取得されることになります。しかしそのためには円の国際的な信任(魅力)の維持が絶対条件となります。

 その円を発行する日銀は資産内容を良好に保つとともに、円の価値(魅力)を維持する金融政策を行うべきです。長期金利(長期国債利回り)は日本への投資収益の基準になるため、あまり低下しても円の価値(魅力)を減退させます。

 この正反対は、日銀が「外部負債を膨らましてリスク資産を大量に抱える」「通貨価値が毎年2%減価する物価上昇目標を掲げる」「通貨価値が直接的に減価する円安政策を推進する」「長期金利を低く維持する」などとなります。

 つまり昨年3月に就任した黒田総裁のもとで、すべて日銀が「見事に実行している政策」ばかりです。黒田総裁が就任直後に打ち出した「異次元」量的緩和とは、円の価値(魅力)を減退させる政策に外なりません。

 そう書くと「異次元」量的緩和のおかげで円安・株高になり、それはそれで日本経済のためではないか?との反論が出てくるはずです。

 確かに民主党政権下での70円台の円高や8000円台の日経平均は「行き過ぎ」で、その水準を訂正したことは事実です。しかしここからは長期展望に立った金融政策が必要となるはずです。

 ところが日銀は依然として2回目の消費増税の決定が至上命題と考え、そのためにはさらなる円安・株高が必要と考え、(2%の物価上昇実現のためには)躊躇なく追加金融緩和に踏み切ると明言しています。黒田総裁の日銀は完全に旧大蔵省傘下であり、消費増税へ(2回で10%へ)最後の仕上げに躍起ということになります。

 かくして円の価値(魅力)は見事に損なわれていくことになり、海外の政府でも投資家でも中央銀行(日銀)がわざわざ価値(魅力)を減退させている通貨(円)を進んで保有するはずがなく、したがって日本国債を保有する理由はもっとなくなります。

 繰り返しですが1000兆円をこえる公的債務は消費税を10%に引き上げても絶対に減らないため、消費増税で日本経済を「大不況」に追い込むのではなく、米国のように国債発行残高の半分くらいを海外で保有してもらって財政の破たんを避けるべきと考えます。国民金融資産の減少がはっきりしてからでは「完全に手遅れ」となります。

 日本に限らず世界経済は、「経済成長の減速」「インフレ率の低下」「長期金利の低下」「結果としての株高」の組み合わせが定着しています。

 このような環境下では経済成長の低下やインフレ率の低下を食い止めることは困難なので、「通貨高」を組み合わせて海外からの投資を促進して株式や不動産価格を上昇させる方が、はるかに現実的となります。

 ましてや日本では1000兆円をこえる公的債務残高のファイナンスには海外資金が絶対に必要であるため、余計に円の価値(魅力)の維持、簡単にいえば「円高」が必要となります。

 9月18日まで開催されていたFOMCで、来年の利上げ時期が前倒しにされた可能性が取り沙汰され、9月19日に一時1ドル=109.46円まで円安となりました。

 日本経済にとっては弊害しかない円安ですが、裏返せば米国が「ドル高政策」に転換したとも考えられ、ますます日銀の金融政策が「正しくない」ことになります。

 続きます。


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