【日刊闇株新聞】リクルート・すかいらーく・ジャパンディスプレイ (2014年10月23日)

リクルート・すかいらーく・ジャパンディスプレイ
2014年10月23日

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リクルート・すかいらーく・ジャパンディスプレイ

 最近株式を公開(再上場を含む)した3社ですが、その後の株価推移がはっきりと違います。

 10月16日に新規公開したリクルートホールディングス(コード6098、以下「リクルート」)は、1株=3100円の公募・売り出し価格に対して初値が3170円、本日(10月22日)終値が3795円と公募・売り出し価格から22.4%上昇しています。

 10月9日に再上場したすかいらーく(コード3197)は、公募・売り出し価格と初値が1株=1200円で、本日終値が1012円と15.6%下落しています。

 凄いのは3月19日に新規公開したジャパンディスプレイ(コード6740)で、1株=900円の公募・売り出し価格に対して初値が769円、本日終値が347円で公募・売り出し価格から何と61.4%も下落しています。

 リクルートの平成27年3月期業績予想は、売上高が1兆2900億円、営業利益が1210億円、純利益が660億円(のれん償却前では1030億円)と、なかなか好調です。

 すかいらーくの平成26年12月期業績予想は、売上高が3378億円、営業利益が208億円、純利益が94億円と、外食産業では健闘している部類です。

 そしてジャパンディスプレイは上場直後の4月に平成26年3月期の業績を下方修正したのですが、10月15日には平成27年3月期の業績予想を大幅に下方修正し、売上高を従来予想の3100億円から2863億円に、営業利益を10億円から209億円の赤字に、純利益を32億円の赤字から253億円の大赤字に「臆面もなく」変更してしまいました。

 同日に深谷工場閉鎖に伴う特別損失が70億円発生したとIRしていますが、「現金を毎日どこかに捨てているのではないか?」と疑いたくなります。

 もちろんこの業績の差異が公開後の株価推移に反映されているのですが、この3社の株価推移の違いは「構造的」なものであり、それを公開前に見分けることもそれほど難しくなく、何より業績そのものも(大幅に下方修正される可能性も含めて)ある程度は予想できていたと考えます。

 「優等生」のリクルートは公開時に366万株の公募増資と2584万株の自己株売り出しと539万株の第三者割当増資(オーバーアロットメントのカバー)で、約1000億円を調達しました。
 
 別途、野村信託銀行ら8株主が合計3407万株(約1000億円)を売り出したのですが、公開後の発行済み株数が5億7400万株なので、その6%弱でしかありません。つまり特定の大株主が巨額売り出しを行ったわけではなく、また今後も巨額売り出しが予想されるわけでもありません。

 何よりも公開後のリクルートは、現経営陣や従業員持ち株会それに業務上親密な企業がかなりの株式を保有しており、経営に対する士気は大変に高いと考えられます。

 その一方で、すかいらーくは再上場前のほぼ全株式をベイン・キャピタルが保有しており、公開後も7割以上の株式を保有したままであり、当然に遠からず全株を売却してしまいます。

 10月10日付け「すかいらーく再上場 MBOの損得勘定」にも書きましたが、すかいらーくはバランスシートに自らをMBO(正確にはLBO)した後遺症として1400億円の銀行借り入れと、ほぼ同額の未償却「のれん代」を抱えています。

 公開時に投資元本の大半を回収したと推測されるベインキャピタルが、まだまだ7割以上の大株主であり、何よりもベインキャピタルは投資収益だけが目的です。

 これでは経営に対する士気が上がるはずがありません。これがほぼ同時期に新規上場(再上場)したすかいらーくとリクルートの株価の「決定的な違い」で、その差はこれからますます拡大するはずです。

 最後のジャパンディスプレイは、2011年11月にソニー、東芝、日立の液晶ディスプレイ事業が統合し、官業の産業革新機構が2000億円で発行済み株数の87%(4億株)を取得して2012年4月に営業を開始しました。

 営業開始から2年弱の本年3月に株式を公開し、同時に1億4000万株の公募増資で約1200億円を調達し、産業革新機構が1億8600万株を売り出して約1600億円を回収しました。同機構は現在も2億1400万株(35.6%)を保有しています。

 もともとソニーらの不採算部門を統合して官業ファンドが巨額出資し、ロクに経営基盤が固まらないうちに安直に上場させて投資資金を回収し、残る持ち株を売却するタイミングだけを待っていることになります。経営に対する士気など上がるはずがなく、今後も無責任な業績の下方修正や株価低迷が続くはずです。

 リクルート、すかいらーく、ジャパンディスプレイの株価推移の違いは、このような構造的な違いに起因しており、今後の新規公開株の選別の参考にすべきです。


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