【日刊闇株新聞】 FRB 資産買入れ(QE3)を終了  (2014年10月30日)

FRB 資産買入れ(QE3)を終了
日刊闇株新聞2014年10月30日

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FRB 資産買入れ(QE3)を終了

 FRBは10月28日~29日に開催していたFOMC(連邦公開市場委員会)で、2012年9月から続けていた資産買入れ(QE3)を今月で終了させると発表しました。

 FRBは2012年9月からMBSを毎月400億ドル、2013年1月から(主に)長期国債を毎月450億ドル買い入れていたのですが、2014年1月からFOMC毎に100億ドルずつ減少させ、現在は毎月150億ドルとなっていました。

 今回の資産買入れ(QE3)では合計1.66兆ドル(180兆円)もの国債とMBSを買い入れたことになり、FRBの総資産は直近で4.52兆ドル(492兆円)まで膨らみました。

 そのうち資産として保有する米国債は2.46兆ドル、MBSは1.71兆ドルで、負債ではドル紙幣が1.29兆ドル、Reserve Balances(日銀の当座預金に相当する傘下の銀行から預かった金額)は2.68兆ドル(292兆ドル)にも上ります。

 また今回のFOMCでは、FRBの保有債券が償還を迎えると国債で再投資することが確認され、このFRBの債券残高は当面維持されることになります。FRBには巨額の金利収入がもたらされて年間1000億ドル(11兆円)以上の国庫納付が可能となります。実質的には米国政府の国債発行コストを引き下げていることになります。

 今回のFOMC声明では資産買入れ打ち切りの理由として、労働市場が「全般的に労働資源の活用不足が徐々に解消している」と従来の見方を改善させ、また最近のインフレ率の低下や足元の米国経済についても「やや楽観的」な見通しを示しました。

 市場が最大の関心を払っていた来年からの利上げについても、従来通り実質ゼロ金利を「相当の期間」維持するとの表現を変更せず、将来の経済次第であることを強調しました。

 また今回のFOMCでは、メンバーのうちコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁が反対票を投じました。一層の緩和政策が必要と主張したようで、FOMCメンバーはどこかの審議委員とは違い自説を譲らないようです。

 さて今回のFOM声明は極めてサプライズが少なく、米国経済については「やや楽観的」な見方を示したものの、来年からの利上げについては一切の言質を与えませんでした。

 まさにバーナンキ前議長のいう「中央銀行の役割は行動(アクション)が2%で、言葉(トーク)が98%」を心得ているようであり、直前に囁かれたQE3継続も「かえって市場を混乱させる」と判断して予定通り終了させたようです。

 それを受けた米国市場では、NYダウが31ドル安の16974ドル(FOMC声明まではプラス圏だった)、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.275ドルから1.263ドルまで「ドル高」、10年国債利回りは2.32%と「やや上昇」となりました。

 米国金融市場もとりあえずは「常識的」に反応したようです。

 いつも書くのですが、米国10年国債利回りはQE3の縮小が始まった本年初めの3.03%から一貫して低下しており、10月15日には一時1.86%まで低下しました。一応3週間ぶりの水準まで回復したことになりますが、それでも年初から0.7%も低下しています。
 
 これはQE1、QE2の終了時にもみられた現象で、FRBの資産買入れにより米国経済の見通しが悪化することを「国債市場が先取り」していると考えられますが、現在はインフレ率の長期低迷も先取りしているような気もします。

 引き続き10年国債利回りがこれ以上低下すると要注意となります。長期金利が低下するということは、米国経済における予想収益水準が低下することに外ならず、米国経済から活力が失われることになります。この状況で利上げなどできるはずがありません。

 前日(10月29日)のドイツ10年国債利回りは0.89%、日本10年国債利回りは0.465%で、特に日本の長期金利は「危機的水準(つまり低すぎる)」と考えます。

 さて今回のFOMCからECBの理事会(11月6日)を先読みしますと、一時可能性が高まったと考えた(今までの)FRBや日銀型の量的緩和の導入は「やはりない」と考えます。引き続き銀行の貸出支援のためのABS購入のみに留めるはずです。

 日銀の政策決定会合(10月31日)も変更はないはずです。短期金利国債利回りをマイナス誘導して実質的な(見せかけの)金融緩和を行ってしまっているからです。その目的はもちろん2回目の消費増税を「アシスト」するためです。


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