追加緩和の効果は2カ月 日本株「年明け急落」の最悪シナリオ  (日刊ゲンダイ2014年11月1日)

追加緩和の効果は2カ月 日本株「年明け急落」の最悪シナリオ
日刊ゲンダイ2014年11月1日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/154630


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10月31日には7年ぶりの高値/(C)日刊ゲンダイ

 このまま株価は上がりつづけるのか。日銀が予想外の「追加金融緩和」を発表した31日、株式市場は755円も上昇、全面高となった。はやくも兜町からは「年末1万9000円」と景気のいい声が飛んでいるが、その一方「株価は年明けから急落」という見方も根強い。この先、株価はどう動くのか。

 31日午後1時40分、日本銀行が「追加金融緩和」を発表した直後から平均株価は急上昇。終値は前日比755円56銭高の1万6413円まで上がった。

「まさか日銀が追加緩和するとは思わなかった。市場は不意打ちされた形です。ちょうど31日は、公的年金を運用するGPIFが、現在12%としている国内株式での運用割合を2倍の25%に引き上げると発表する日だった。しかも、朝刊は安倍政権が補正予算を編成すると報じていた。そこへ、追加緩和のニュースが飛び込んできた。これだけ好材料が揃ったら、株価が上がらないはずがありません」(大手証券マン)

 市場では、1万9000円まで上昇するという見方が広がっている。株式アナリストの黒岩泰氏はこう予測する。

「日経平均は、9月25日の高値1万6374円から、10月17日の1万4529円まで1845円も下落し、半値戻しの1万5450円前後を推移していました。チャートから判断すると、下落した分の1845円は上昇しておかしくない。1万8250円までいくでしょう」

■外資を儲けさせるだけ

 ただし、不安材料がないわけではない。市場関係者が懸念しているのは、期待したほど上昇しなかったことと、最後に失速したことだ。

 株高を狙った3本の矢〈追加緩和、GPIF、補正予算〉を放てば当然、1000円以上は上昇すると期待していたらしいが、結果は755円高止まり。しかも、一時875円高まで上げたのに、最後の30分間は値を下げて終わっている。

 市場が警戒しているのは、7―9月期のGDPが発表される11月17日と、安倍首相が消費税増税を実施するかどうか最終決定する12月9日だという。証券アナリストの吉見俊彦氏が言う。

「本来、株価は経済を映す鏡です。景気が悪ければ、株価は上がらない。日銀の追加緩和に市場は浮かれていますが、しょせんはマネーゲームです。企業業績が上向き、景気が良くならない限り、いずれ株価は下落する。しばらく株高はつづくでしょうが、せいぜい2カ月でしょう。外資をボロ儲けさせるだけになりかねませんよ」

 昨年も平均株価は12月に最高値をつけ、年明けから下落した。外資を儲けさせただけだった。ヤバイのは、日銀の「追加金融緩和」という最後のカードを切ってしまったことだ。この先、株価が急落しても、打つ手はほとんど残っていない。個人投資家は冷静に判断した方がいい。