【私の相場観】  独走続く米国経済 久保寺 寛次 (東京新聞2014年11月14日)

【私の相場観】
独走続く米国経済 久保寺 寛次
東京新聞2014年11月14日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/market_outlook/list/CK2014111402000135.html

 世界経済の先行きにやや不安が出ている中で、米国経済がひとり気を吐いている。こうした状況はこの先も続くのだろうか。正解は「イエス」と考える。2008年9月にリーマン・ショックが起きた。当時、立ち直りは2、3年後といわれていたが、実際は翌年6月を底に回復局面に転換した。足元の10~12月期の成長率も3%内外となる見込みだ。回復の原動力は二つ。迅速かつ効果的な金融緩和政策が推進された一方で、シェール革命という構造改革的な動きが進行していることだ。

 金融緩和路線は年初から微修正の段階に入った。他方、新興国経済は引き続き減速している。しかし、来年の成長率は3%ラインをキープする公算が大きい。これは、(1)米国経済では輸出比率が極度に低い(2)後述の事由もあり、政策金利の引き上げは極力先送りする(3)財政部門で景気を押し下げていた圧力が弱まるなどの要因による。

 好望の中で要警戒の動きもある。11年末から始まった住宅建設増加傾向が昨年半ばから若干弱まっていることだ。変化の契機は長期金利の急上昇であったが、金利が反落しても流れは変わらない。米国おいては、住宅部門の景気全般への影響が大きいだけに、金融当局はこれ以上事態が悪くならぬよう十全の配慮を払うと見る。

 NY市況の基調は、来年も底堅いと観測している。そうと見る主因は、前述の景気展望にあるが、同市況には「大統領選挙の前年の上昇率が最高」とのジンクスがある点にも留意したい。 

(証券アナリスト)