【私の相場観】  12月総選挙と株式市場 吉見 俊彦  (東京新聞2014年11月19日)

【私の相場観】
12月総選挙と株式市場 吉見 俊彦
東京新聞2014年11月19日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/market_outlook/list/CK2014111902000155.html

 10月末の日銀サプライズとそれに同調したGPIFの株式買い増しに続いての衆院解散、12月総選挙という突発材料。当面は好材料と評価しての株高で日経平均株価は7年半ぶりの1万7400円台戻り高値まで急伸した。その直後、消費税再増税の先送りの理由づけになりそうな7~9月期の実質国内総生産(GDP)が大半の予想を下回る年率換算1・6%減で株高への警戒感が急台頭し、17日の株価は大幅安(18日は大幅回復)。相場見通しは不透明感が増しそうだ。

 GDP低迷にみるように安倍晋三首相の経済政策(アベノミクス)の思惑は増税を先送りせざるを得ないとの失策を逆手に取って師走選挙特有の低投票率も計算した「一強多弱」の国政選挙。これで自民党信認との結果を得たいとまさに“政治家選挙”といえる。

 ただ、世論と株式市場が自民党の思惑通りに動くかどうかは疑問だ。自民一党支配体制の終わりと同時のバブル大天井後の過去16回(衆8回、参8回)の国政選挙と株価の動きを振り返ってみた。開票日の株価で前日比高7回、安9回。投票日前日と1カ月後の株価の比較高5回、安10一回。3カ月後でも高5回、安11回と総じて選挙後の株価は芳しくない。開票日、1カ月後、3カ月後の3回ともの株高は3回しかない。95年7月参院選(村山政権)、05年9月衆院選(郵政選挙の小泉政権)、12年12月衆院選(民主→自民へ政権交代)。今回、自民勝利でも株高持続となるかは難しそうだ。 (証券アナリスト)