【私の相場観】  材料か経験か 植木 靖 (東京新聞2014年11月21日)

【私の相場観】
材料か経験か 植木 靖
東京新聞2014年11月21日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/market_outlook/list/CK2014112102000143.html

 黒田東彦総裁率いる日銀がバズーカ砲第2弾をぶっ放した。追加金融緩和策は、早くても年末と市場ではささやかれていたなかでの発動は、意表を突くものだった。さらに驚かされたのは、その内容だ。長期国債や不動産投資信託(REIT)はもとより上場投資信託(ETF)の買い入れを1兆円から3兆円に増額した。

 これは1日に約150億円、1株当り単純平均でいえば、じつに5000万株近くを毎日買い入れる計算になる。これに年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の買いが加われば、買い方の強力な助っ人になることはいうまでもない。市場の主役である海外投資家にとっては、下値が保証されたようなもので、ローリスク、ハイリターンではないか。かくして市場は先高を信じて疑わず、早くも日経平均2万円は遠からず、との楽観論も聞かれる。

 だが、一本調子といかないのが相場の常だ。リーマンショック後の上昇相場を振り返ると、おおむね一波動の日柄は5~6カ月である。たとえば、リーマンショック後の安値は09年3月だが、高値をつけたのは同年8月。また10年9月からの上昇は11年2月まで。直近ではアベノミクスがスタートした12年11月からの上昇は13年5月と、いずれも5~6カ月で終了している。

 さて、今回の上昇の起点は本年4~5月。とすれば10~11月が一波動の臨界点となる。早くも11月17日には本年2番目の大きな下げに見舞われている。果たして材料か経験か興味あるところだ。 

(株式評論家)