【★マネー得捜本部】 国民のカネで相場を張る日銀とGPIF 議論されない巨大リスク

国民のカネで相場を張る日銀とGPIF 議論されない巨大リスク
★マネー得捜本部

ZAKZAK2014.11.30

http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20141130/zsp1411300830001-n1.htm


画像

新たな基本ポートフォリオでは、国内債券の目標ウエイトが減り、株式が増える。日本国債を30兆円ほど売って、その資金で国内外の株式市場へ投資する予定だ

 大方の予想を裏切るサプライズとなり、“ハロウィン緩和”とも呼ばれた10月31日の追加金融緩和。あわせて、国民のカネを運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund, GPIF)」による株や外貨建て資産への積極的な投資も発表された。政府・日銀の本当の狙いは?

 10月31日以降、日本の株式市場は新たな局面に突入した。GPIFによる株の買い支えと、日銀の「黒田バズーカ2」による円安政策の発動である。GPIFは日本国民の年金をプールしてそれを運用しており、130兆円もの資金を保有する世界最大のファンドである。これまでは日本国債を中心(目標ウエイト=60%)、つまり130兆円のうちの約6割を日本国債やそれに準ずる債券で運用していた。しかし、株式の比率を大きく引き上げようという動きが政府から出ていた。株価と内閣支持率は連動しており、安倍政権はこのカネを使って株価を吊り上げられないかと考えていたのだ。

 そして、発表された引き上げ幅は、市場関係者の予想を超えるものだった。日本株の目標ウエイトを12%から25%、外国株の目標ウエイトを12%から25%と2倍以上にする。GPIFは日本国民の年金の半分を株式市場に突っ込もうというのだ。

 偶然にもほぼ同じタイミングで、日銀の黒田総裁は不意打ちで大規模な追加緩和を発表した。いわゆる黒田バズーカ2だ。これまで年60兆~70兆円のペースで日本国債を買い上げていたのを、年80兆円にまで増やす。政府が今年度に入札を通じて機関投資家に販売する国債の市中発行額が約150兆円なので、その半分以上に相当する。さらに、日銀が買うTOPIXなどのETFも年約3兆円、J-REITも年約900億円と、ともに従来の3倍のペースで増やすと発表した。日銀自体が、いまや膨大なリスク資産を保有する巨大なファンドとなっているのだ。

 ところで、GPIFが株を買うための現金は日本国債を売って調達される。GPIFが日本国債を売ると、それはどこかの銀行やら保険会社が買うわけで、市場全体に流通する円の量も日本国債の量も変わらないはずだが、今回は日銀が国債をさらに買い増すことを発表したので、結局、GPIFが売る国債の分は新たに円が刷られて市場に出回ることになる。GPIFが売る国債は約30兆円だが、日銀の追加緩和は偶然にもこれを買い切るにはちょうどいい規模なのだ。円の希薄化のようなことが起こるので、円安になるはずだ。

 安倍内閣はなりふり構わず株価を吊り上げようとしているのかもしれない。短期的な狙いは株価上昇による内閣支持率の改善だろう。株価が上がって支持率が上がれば、消費税も上げやすい。もしこうした狙いがうまくいけば、日本国民は物価が上がることによるインフレ税と消費税により、政府が抱える1000兆円もの借金を返していくことになる。

 これほど巨大なリスクを伴う決定が、国会であまり議論されることなく、一部の政治家と政策担当者により行われたことは驚きだ。100兆円単位のギャンブルをするわけだが、いったい誰のカネだと思っているのだろうか?

 ◆今週の数字 50% GPIFの株式の目標ウエイト

 約130兆円もの資金を運用する世界最大の政府系ファンドGPIFはその半分を株式市場に突っ込むことを決定した。日本国民がスッ高値で株を掴まされないことを祈ろう

 ■藤沢数希氏 「金融日記」管理人 欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」管理人。恋愛工学メルマガも発行する。cakesでは恋愛小説も連載中

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0