【私の相場観】  長期政権と株価 露崎 達郎  (東京新聞2014年12月16日)

【私の相場観】
長期政権と株価 露崎 達郎

東京新聞2014年12月16日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/market_outlook/list/CK2014121602000174.html

 株価の乱高下が強まっている。兆ドル規模で動く世界的な余剰マネーが短期的な利益を狙って、有利と見た市場に資金をシフトし、売買を繰り返す、その行動は「機を見るに敏」なだけに余計、乱高下の原因となる。この動きは続きそうなだけに冷静な目で市場の先行きを見極めなければならない。

 では、今の市場はどうか。米国の量的金融緩和は終わり、その成果は米国の復権となって現れた。新興国に流入した資金は米国に戻り始めた。

 ドル高の副作用は他国の通貨安だけにとどまらない。国際商品の急落を招き、ロシアなど資源国の経済が不安定化する要因となっている。原油価格の値下がり、中国景気の先行き不安、いずれも経済のかく乱要因だ。

 だが、今回の株価急落は不安が不安を呼ぶ状況ではない。米株価も微調整の範囲だし、高値から40%も下げた原油価格は米シェールオイルの採掘コスト60~70ドルまできただけに下げ止まる可能性もある。

 原油価格値下がりのショックはない。中国の景気不安は高度成長からの軟着陸を狙った過渡的な現象で、6~7%の成長余力はある。

 日本はどうか。衆院選では自民党が他党を圧倒する議席を獲得し、安倍政権が長期化する可能性が高くなった。5年ほど続いた佐藤、中曽根、小泉各内閣の就任期間中、株価は小泉内閣の値上がり率11%を除くと2倍となった。安倍内閣の2年間は一時75%も上昇した。過去50年間の長期政権の株価上昇記録を抜くかもしれない。

 (株式評論家)