【私の相場観】 ピケティ氏と長期投資 沢上 篤人 (東京新聞2015年2月5日)
【私の相場観】
ピケティ氏と長期投資 沢上 篤人
東京新聞2015年2月5日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/market_outlook/list/CK2015020502000196.html
資産を持てる高所得層と一般生活者との間の格差拡大を歴史的に検証したフランスの経済学者ピケティ氏の書が話題を呼んでいる。世界中で評判になっているとはいうが、日本での反応が一番だろう。この10年ほど日本で経済的な格差拡大が社会問題視されてきていた。そこへ、ピケティ氏の書で「やっぱり、世界でもか」と、多くの日本人の間で納得感がパッと広がった。
個人的な見解だが、日本での格差なんて世界の水準からみると、大騒ぎするほどでもない。ただ不安症のくせに知りたがり屋が多い日本人特有の気質がマスコミ報道をして負の側面にばかりにスポットライトを当てさせてしまう。
サブプライム問題の時もそうだった。米国では空き家の売り物であふれていると、いかにも大恐慌前夜のような報道で、日本中が戦々恐々とした。米国経済は奈落の底へ落ちていくのではと他国への心配と不安におびえていたはずだった。
その米国経済が力強く立ち直ってきている。経済的弱者を横に置いているといった声もあるが、経済全体のパイを大きくしなければ富の再分配もない。20年間で経済規模を2倍にした米国と格差拡大不安とかで縮こまったままデフレを招いた日本と、どちらが良かったのか考えてみるがいい。ともあれ長期投資をかましてやれば経済は健全に拡大発展する。時間はかかるが誰もが資産家になれる。21世紀の資本主義って、むしろ一般生活者の長期投資がリードする社会じゃないかな。(さわかみ投信取締役会長)
ピケティ氏と長期投資 沢上 篤人
東京新聞2015年2月5日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/market_outlook/list/CK2015020502000196.html
資産を持てる高所得層と一般生活者との間の格差拡大を歴史的に検証したフランスの経済学者ピケティ氏の書が話題を呼んでいる。世界中で評判になっているとはいうが、日本での反応が一番だろう。この10年ほど日本で経済的な格差拡大が社会問題視されてきていた。そこへ、ピケティ氏の書で「やっぱり、世界でもか」と、多くの日本人の間で納得感がパッと広がった。
個人的な見解だが、日本での格差なんて世界の水準からみると、大騒ぎするほどでもない。ただ不安症のくせに知りたがり屋が多い日本人特有の気質がマスコミ報道をして負の側面にばかりにスポットライトを当てさせてしまう。
サブプライム問題の時もそうだった。米国では空き家の売り物であふれていると、いかにも大恐慌前夜のような報道で、日本中が戦々恐々とした。米国経済は奈落の底へ落ちていくのではと他国への心配と不安におびえていたはずだった。
その米国経済が力強く立ち直ってきている。経済的弱者を横に置いているといった声もあるが、経済全体のパイを大きくしなければ富の再分配もない。20年間で経済規模を2倍にした米国と格差拡大不安とかで縮こまったままデフレを招いた日本と、どちらが良かったのか考えてみるがいい。ともあれ長期投資をかましてやれば経済は健全に拡大発展する。時間はかかるが誰もが資産家になれる。21世紀の資本主義って、むしろ一般生活者の長期投資がリードする社会じゃないかな。(さわかみ投信取締役会長)