【書評】 日本のカジノ解禁を前に新たな観光の可能性探る一冊  『カジノミクス』(小学館新書)

【書評】日本のカジノ解禁を前に新たな観光の可能性探る一冊
NEWSポストセブン2015.03.09 07:00

http://www.news-postseven.com/archives/20150309_308302.html

【書評】『カジノミクス』(小学館新書)/778円

「カジノミクス 2020年、日本が変わる!日本を変える!」(小学館新書) 佐々木一彰, 岡部智著(小学館 777円税込)


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「カジノ」で日本は元気になる!

秋の臨時国会で成立が確実視されているカジノ法案。
カジノができると、私たちの生活にも大きな影響が出ると考えられます。内外から人が押し寄せて、経済的には大きなプラスになる一方で、治安や風紀の面ではマイナスになる懸念があるのです。
また、パチンコや競馬、競輪など既存のギャンブルにも何らかの影響が出るでしょう。
そこで、最低でも2兆円といわれる市場規模、カジノはどこにできるのか、カジノができれば何が起こるのか、カジノによって儲かる業界はどこか、東京オリンピックとの関係等について、カジノ(ゲーミング産業)に詳しい気鋭の学者がまとめました。
また、政府はカジノを「統合型リゾート開発の一要素」として位置づけていますが、その全貌も詳しく紹介します。

主な内容は次の通りです。
日本にカジノができると、こんなことが起こる
カジノとIRのインパクトは2兆円!?
観光振興こそが第4の矢の本質
東京オリンピック2020とIR
「カジノ法案」通過までの15年間
世界三大カジノ市場
カジノができるのはここだ!
きちんと知っておきたい負の側面
他の公営ギャンブルとの微妙な関係
カジノができれば、地域が元気になる

【編集担当からのおすすめ情報】
2020年までにいくつかの、カジノを含む巨大複合施設ができる見通しです。
法案の成立にも少なからぬサポートをしたふたりの著者が、海外での経験も踏まえて書き下ろした、「カジノ本」の決定版です!





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2020年、日本が変わる!日本を変える! 小学館新書 佐々木一彰 岡部智 小学館発行年月:2014年


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発売日: 2014年10月01日頃
著者/編集: 佐々木一彰, 岡部智
出版社: 小学館
サイズ: 新書
ページ数: 203p
ISBNコード: 9784098252244

【内容情報】
カジノの集客力、集金力を使って国際会議場やコンベンションセンターを備えた総合的なリゾート施設(IR)をつくり、地方の活性化をはかって経済成長を盤石なものにしていこうというアプローチーそれが「カジノミクス」だ。カジノに負の面があることは確かだが、それを克服する知恵は内外にある。そして、カジノの爆発的なパワーを生かすことがができれば、地方格差の解消や雇用の促進が進み、人々に新しい楽しみを提供することができる。賛否入り交じる「カジノ合法化時代」の基礎を、きちんとおさえておきたい。

【目次】
第1章 カジノができると日本が変わる
第2章 いまこそ知っておきたい、カジノとIRの基礎知識
第3章 カジノミクスが経済に及ぼす革命的インパクト
第4章 きちんと知っておきたい負の側面
第5章 カジノ、IR施設ができるのはここだ!
第6章 IRで、地方を、日本を元気にする!

【著者情報】
佐々木一彰(ササキカズアキ)
日本大学経済学部専任講師。専門はホスピタリティ産業とゲーミング産業。ネバダ州立大学カジノ上級管理者養成プログラム修了。文部科学省の助成事業「観光資源としてのカジノ」の代表を務める

岡部智(オカベサトシ)
電通IR・観光プロジェクト部長。2011年11月にカジノ&エンタテインメント事業部を初めて設置、カジノを絡めたビジネスの研究、調査を手がけてきた。IRという概念の啓蒙活動に努めている。

【評者】徳江順一郎(東洋大学 国際地域学部准教授)

 ここ数年、わが国では、カジノが解禁されるのではないかという話がずっとささやかれている。実際、国会議員の間で、通称「カジノ議連」が結成されて法案が提出されているのも事実である。

 シンガポールでは2010年からカジノがオープン、韓国やフィリピンでもカジノが有力な観光資源となっているなか、わが国だけが現状のままで「観光立国」を目指せるかといえば、それはなかなか難しい面もあるのかもしれない。

 本書は、賭博に関する世界各国の歴史、現状、負の側面などがコンパクトにまとめられている。

 また、カジノが認められていない日本において、宝くじ、競馬、競輪、オートレース、競艇、サッカーくじ等がなぜ認められているかについても、わかりやすく論じられている。こうした“事実上の賭け事”に近い存在を合計すると、実はわが国は、世界でも有数のカジノ大国といえるのだそうだ。

 一方、ギャンブル依存症など、負の側面に対する対策は、これまでほとんどなされてこなかったのが現実である。

 米国には、MBA取得者が多数在籍し、上場を果たしているカジノ企業もあり、そうした企業では依存症対策などもきちんとなされているのだという。今後、わが国でカジノが解禁されるかどうかはわからない。

 しかし、議論にさえ加わらずに感情的な反対を唱えるのではなく、賛成するにせよ反対するにせよ、基本的な知識は最低限持つべきであり、世界の現在の状況について知っておくことに損はない。

※女性セブン2015年3月19日号