「さらなる円安はない」黒田総裁の“円安牽制”に隠された真意

「さらなる円安はない」黒田総裁の“円安牽制”に隠された真意
日刊ゲンダイ2015年6月12日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160690


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口先介入で相場撹乱(C)日刊ゲンダイ

 日銀・黒田東彦総裁の爆弾発言が市場を大混乱させている。10日、黒田総裁は衆議院の財務金融委員会に出席し、「さらなる円安はあり得そうにない」と円安是正をにおわせた。ドル円相場は今月上旬に12年半ぶりとなる1ドル=125円を付け、その後も124円台後半で推移していた。ところが、思いもよらぬ“黒田発言”で、為替相場は一気に円高に振れ、株式市場は大幅下落。市場からは「相場を冷え込ませた黒田総裁は許せない」という恨み節まで聞こえてくる。

■「安倍首相の意向を酌んだ」との見方も

 黒田総裁は、「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れていくことは普通に考えると、なかなかありそうにない」と答弁した。実質実効為替レートは、ドル円だけでなく、ユーロや中国元などさまざまな通貨ベースで円の実力を表すもの。直近統計(15年4月)は71.99(2010年平均=100)で、これほどの低水準は1974~75年までさかのぼらないと見当たらない。当時のドル円は1ドル=300円前後だった。

「黒田総裁は実質実効為替レートを引き合いに出しましたが、マーケットは対ドルでの円安牽制と受け止めた。わずか2週間でドル円相場は5円も円安に振れたのだから当然でしょう。それにしても、2%の物価上昇を実現するため、円安誘導に必死だった黒田総裁が方向転換した。これは何かある……と金融マンは怪しんでいます」(大手銀行関係者)

 第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏はこう見る。

「米利上げは近いとされ、いまの為替水準を放置していたら、どこまで円安が加速するか分かりません。だから、このあたりで少し円安のスピードを調整したかった可能性はあります」

 安倍首相の意向を酌んだとの臆測もある。G7サミットで米オバマ大統領が「強いドルは問題」と発言したと伝わった。その後、米側は否定したが、火のないところに煙は立たない。安倍首相もサミット閉幕後の会見で、「(円安の悪影響を)よく注視していきたい」と話している。

「米国に気を使ったとみることは可能です。そうあって欲しいと願うほどです。なぜならコトはもっと深刻で、黒田総裁は円安が止まらなくなる恐怖を肌で感じているのかもしれない。いま何らかの手を打っておかないと、1ドル=130円、140円、150円と進行し、180円、200円だって絵空事でなくなる。そうなったら国債暴落が現実となり、財政破綻もチラつく。黒田総裁は2%物価上昇の目標をタナ上げしても、円安を阻止しなければならなかったのです」(市場関係者)

 もっとも、世界の金融マフィアは容赦ない。

「日米欧3極で見れば、量的緩和の出口から最も遠いのは日本です。基本的なドル高の流れは変わらないでしょうし、125円を軸に上下10円の変動を想定すれば、135円に到達する可能性は6、7割あるとみています」(三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏)

 黒田総裁は青ざめているはずだ。


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