【日刊闇株新聞】  ITバブル時の高値に接近した日経平均   (2015年06月24日)

【日刊闇株新聞】
ITバブル時の高値に接近した日経平均
2015年06月24日

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ITバブル時の高値に接近した日経平均

 本日(6月23日)の日経平均は381円高の20809円となり、ITバブル時の高値の20833円(2000年4月12日)に急接近となりました。

 前日の欧州株式市場がギリシャの金融支援協議が進展するとの楽観論から軒並み急上昇したことや、先週急落していた上海株式も本日は上昇に転じたことや、先週(6月17日)のFOMCで米国に利上げ予想がやや後退したことや、それにもかかわらず為替が再び円安方向となったことなど、当面の悪材料がすっかり「消滅」したように思えるからです。

 その中で米国の利上げについて考えてみます。日本に限らず世界市場にとって最大の「懸念材料」となるからです。日本では、米国の利上げ=ドル高=円安=日経平均上昇との「楽観論」もありますが、歴史的にみても米国は金融政策でも経済政策でも「自分の都合しか考えない国」なので、米国が利上げを行うタイミングに(とくに)新興国の状況が悪化していると、さらに警戒が必要となります。

 6月17日に開催されたFOMCでは、予想通り政策金利(FF金利を0.0~0.25%)の据え置きが決定されました。さらに同時に公表されたFOMCメンバー17名の2015年末における予想FF金利の平均値が0.566%と、本年3月時点の0.772%、昨年12月時点の1.125%、昨年9月時点の1.270%から「下がり続けている」つまり「利上げ開始時期がどんどん後退している」ことになります。

 ここで予想されているFF金利は上限金利(現在0.25%)のことなので、現時点では年内に利上げが1回(0.25%)だけとFOMCメンバーの大半が予想していることになります。

 また現時点では2016年末の同じ予想の平均値が1.75%なので、1回の利上げが0.25%とすれば2016年中の8回のFOMCのうち4.7回の利上げがあるという予想になり、リーマンショック前のようにFOMC毎に利上げするとも考えられていないことになります。2007年当時のFF金利は5.25%もありました。

 ちなみにこの2016年末のFF金利の予想平均値は、本年3月時点の2.022%、昨年12月時点の2.537%、昨年9月時点の2.68%から、やはり大きく低下(つまり利上げペースの後退)となっています。

 そもそもFRBが利上げを行う本当の理由は、直近で4.23兆ドル(524兆円)の保有債券(ほとんどが長期債)のうち2.57兆ドル(318兆円)を外部資金のReserve Balancesでファイナンスする巨大ヘッジファンドのFRBが、Reserve Balancesへの付利(FF上限金利を適用するので現在は0.25%)を引き上げることにより外部資金の流出を避けるためです。

 もちろん将来の景気過熱やインフレを避けるためでもあり、先日発表された5月の消費者物価コア指数(食品とエネルギーを除く)は前年同月比1.7%上昇と、FRBが目標している2%に近づいていることもありますが、最大の目的は巨大ヘッジファンドとなったFRBが外部資金の流出を回避するためです。

 つまりFRBは出口戦略(保有債券の売却)を行う前に利上げで外部資金を繋ぎ止めると「明確」に公表しています。またFRBは経費控除後でも年間1000億ドル(12.4兆円)以上の利鞘を稼ぐ高収益ヘッジファンドでもあります。この大半は国庫納付されるため、これも「罰金ビジネス」と並ぶ米国政府の高収益「ヘッジファンド・ビジネス」なのです。

 さてここからFRB(米国政府)の利上げに対する「本気度」を予想してみましょう。

 まず年内の利上げは1回(0.25%)だけありそうですが、これはあくまでもFRBに対する市場の信認を維持するためです。FOMCメンバー自身の予想通りにならないと、やはり問題だからです。

 ただ今後は各経済指標(とくに労働指標と物価指標)に改善があればあるほど、市場の利上げ予想が大きくなり(民間エコノミストなどが喧噪するため)結果的に経済や株式市場に適度なブレーキがかかるため、1回も利上げしない可能性も半分くらいあると考えます。

 仮に1回の利上げがあったとしても、FRB(米国政府のことですが)はReserve Balancesへの付利は0.25%のままに留める可能性もあります。FRBの高収益を自ら損ねる必要もないからです。

 要するにFRBの利上げとは、米国は自分の都合しか考えない国であることを考慮しても、日本をはじめとする世界の株式市場にとって最大の「懸念材料」となる可能性は「大変に低い」と考えておいてよさそうです。

 ただ日銀の「もっと異次元となった」あるいは「ひょっとしたらさらに異次元になるかもしれない」量的緩和は、日本経済にとっても日本の株式市場にとっても大きな「懸念材料」となるのですが、これは次回です。

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