【日刊闇株新聞】   だんだん問題が大きくなる東芝の「不適切会計

【日刊闇株新聞】
だんだん問題が大きくなる東芝の「不適切会計」
2015年07月16日

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だんだん問題が大きくなる東芝の「不適切会計」

 正確には「だんだん本当のことがバレてきたため、今まで穏便に済まそうと配慮していた周囲の方針が明らかに変化してしまった東芝」と書くべきですが、長いので表題のようにしました。

 東芝は、新たに主力の半導体事業でも900億円程度の損失(減損)を計上する見通しとなったことが「関係者への取材」でわかったと本日(7月15日)報道されています。この「関係者」とは、この問題に指導的立場にある金融庁(証券取引等監視委員会を含む)のことと思われます。

 すでに第三者委員会の調査などで、過去の営業利益の過大評価が1700億円をこえることが判明していましたが、新たな損失を加えると最終的に3000億円近い過去の利益が押し下げられる公算が大きくなったとも報道されています。第三者委員会の調査報告は7月21日頃に発表されるはずですが、早くもその内容がリークされているようです。

 これに先立つ7月9日には、東芝の「不適切会計」とはインフラ関連事業などで生じた損失の計上を意図的に先送りしていたとか、会計監査を通すために実現不可能なコスト削減計画を示して実態よりも損益がよくみえるように偽って説明していたとか、トップを含む上司が部下に損失計上先送りを促したと受け止められかねない内容のメールが見つかったなどと報道されていました。

 さらに7月11日には、証券取引等監視委員会が東芝の「不適切会計」を調べている第三者委員会の報告書を待って本格的な調査に入るとも、田中社長や佐々木副会長の辞任が確定的となったとも、7月14日には東芝の(6月25日の定時株主総会でせっかく選任された)取締役の半数以上が退任して社外取締役に入れ替わるとも報道されていました。

 もう1つだけ付け加えれば7月8日には、東芝が主力行に5000~6000億円の融資枠設定を打診したとも、2000億円の資産売却を検討しているとも報道されていました。

 ここまで挙げた各報道は、マスコミが独自取材で掲載できるような記事ではなく、全て「周囲」が意図をもってリークしたものばかりです。ここでいう周囲とは金融庁(証券取引等監視委員会を含む)に東京証券取引所、それに東芝に1兆9000億円も貸し込んでいる銀行などのことです。

 つまり7月8日ころから「周囲」の東芝への対応がハッキリと変化していることになります。つまり東芝の「不適切会計」が発覚したころの「周囲」が明らかに東芝に配慮して穏便に何事もなかったように収束させるとの方針が、ハッキリと変化しているわけです。

 東芝はこれまで経団連会長(2人)や上場を控えた西室・日本郵政社長らを輩出している名門企業であり、日本有数の原発メーカーでもあるからです。1兆9000億円も貸し込んでいる銀行も含めて「問題を大きくすべきではない」との配慮が働いていたはずです。
 
 東芝の「不適切会計」が世間に認識されたのは5月8日に「第三者委員会設置」「業績予想の修正(正確には業績予想の取消)」などがIRされたときですが、この時点では「不適切会計」が存在するのは一部の社内カンパニーだけで(具体的には佐々木副会長の影響下にある社会インフレ事業だけで)、その損失も500億円程度とされていました。

 それで「粉飾決算」という言葉をマスコミに使わせず、有価証券報告書の提出が2ヶ月遅延など「そんなのありなの?」と言いたくなる大甘措置を認めていました。

 7月に入ってから風向きが変わった最大の理由は、第三者委員会に東芝の対立する各陣営から積極的な情報が提供された(要するに活発なタレこみ合戦が行われた)ため、さすがに第三者委員会としても「玉虫色の報告書で済ますことができなくなった」からでしょう。

 そうすると今まで東芝に配慮していた「周囲」は、よく調べたら東芝が悪いことがわかったとの状況証拠を積み上げ、万が一にも責任を問われないようにしなければなりません。

 7月8日以降の一連の報道は、「周囲」の方針がそのように変化していく状況をきれいに裏付けています。繰り返しですがマスコミが独自にこういう記事を書くことはありません。

 じゃあ東芝の命運はどうなるのでしょう?

 「不適切会計」が「粉飾決算」に格上げになることはなく、刑事事件化も上場廃止もありません。

 東芝は、当局と銀行が送り込む取締役が過半数を占める「半占領企業」になってしまうだけです。

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