企業ガバナンス重視で「儲かる経営できぬ」と闇株新聞発行人

企業ガバナンス重視で「儲かる経営できぬ」と闇株新聞発行人
NEWSポストセブン2015.09.17 11:00

http://www.news-postseven.com/archives/20150917_350451.html

 今年6月に東京証券取引所が定めた「コーポレートガバナンス・コード」が注目されている。2人以上の社外取締役の専任や株主権利の確保による経営チェックなどで企業のガバナンスを強化する試みだ。

“日経新聞風”に解説すると、欧米の投資家はこの動きを「不透明な日本企業を評価しやすくなる」と歓迎するため、企業の価値は上がる──とされている。

 しかし、金融関係者や個人投資家も熟読するほど注目されている金融情報サイト『日刊闇株新聞』発行人のA氏は、「とんでもない話だ」と語気を強める。同氏は2011年に発覚した巨額の粉飾決算「オリンパス事件」の際に、事件の背景や「飛ばし」と呼ばれる損失隠しの具体的手口を次々と暴露し、大きな注目を浴びた。どの新聞やニュースよりも詳しく報じたうえ、後からそれらの情報がすべて真実だったとわかり、業界が騒然となった。

「オリンパスなどの不祥事を受けて“監視を強めないと会社は悪いことをする”といった風潮から新たにルールを設けたわけです。

 しかし、金融庁の求めるガバナンス・コードは単に“行儀よくしなさい”“外部の識者を経営陣に入れなさい”という内容であり、企業にとって最も重要な『利益を上げる』行為を否定している。これで“儲ける経営”などできるわけがない」(A氏)

 拙速なガバナンス・コードの導入が経営の足枷になり、ひいては株価の低下につながるとA氏は主張する。

「評論家のような連中が外部取締役として経営陣に入り、儲かりそうな案件でも“コンプライアンス的に危ない可能性が少しでもあるものはとにかくダメ”と法的にOKなはずの案件まで過剰にストップをかけるようになる。

 本来、企業が得た利益は内部留保して投資に回すほうが効果的だが、株主価値を高める名目で配当を上げると財務状況を圧迫する。

 企業統括はもちろん重要だが、ガバナンス・コードを慌てて取り入れるような会社はダメ。短期的に株価が上がるかもしれないが、長期的には企業活力を損ない、企業価値が棄損する。本当なら、それこそがまさに株主に対する背信行為です」(A氏)

 やはり“日経新聞流”の解説とは観点が全く異なる。

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号

【日刊闇株新聞】
利上げを先送りしたFOMC
2015年09月18日

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1533.html

利上げを先送りしたFOMC

 FOMCの結果(日本時間・9月18日の午前3時)を待って、久々に夜中に書いています。

 結果は現行の0.0~0.25%のFF誘導金利を据え置きました。つまり2006年6月にFF誘導金利を5.0%から5.25%に引き上げて以来、9年3か月ぶりの利上げが見送られたわけですが、本年の投票権のあるFOMCメンバー10名(2名欠員)のうち反対票を投じた(つまり利上げすべきと主張した)メンバーはラッカー・リッチモンド地区連銀総裁だけだったようです。

 しかし全FOMCメンバー17名のうち13名(前回は15名)が、年内に少なくとも1回の利上げがあると予想しており、年内に利上げがないと予想する4名(前回2名)を依然として大きく上回っています。

 また今回は2015年の成長率は2.1%に上方修正されていますが(4~6月期が年率3.7%の高成長だったから)、日本と同じ2%が目標のインフレ率は足元(7月)で消費者物価が前年同月比0.2%、卸売物価が同マイナス0.8%で、まだまだ低迷しそうな雰囲気です。

 つまり中国や新興国の経済を「心配」してではなく、米国経済を見回しても「わざわざ」利上げする必要はなかったはずです。もちろん新興国など世界経済と株式市場への影響を考えれば、「絶対に利上げしてほしくない」と考えていたのですが、本誌はこういう状態でも「学者が多い」FOMC投票メンバーは「教科書通りに」利上げしてしまうのではないか?と心配していました。

 今回だけは何とか踏みとどまってくれたのですが、FOMCは年内あと2回あります。10月27~28日と12月15~16日ですが、10月はFOMC後にイエレン議長の記者会見はなく重要な政策変更は難しいため、このままだと12月の利上げ確率がかなり高くなってしまいます。

 何しろ本年の投票権のないメンバーも含めるとFOMCメンバー17名のうち13名が「年内に少なくとも1回の利上げがある」と予想しているため、常識的には12月に利上げとなってしまいます。

 つまりここ1~2ヶ月ほど続いたFRBの優柔不断さが、中国政府のトンチンカンな株価対策とあわせて世界の株式市場の「2大元凶」と考えていたのですが、少なくともFRBの優柔不断さは(たぶん中国政府のトンチンカンさも)12月まで続いてしまうことになります。

 1980年代からボルカー、グリーンスパン、バーナンキと続いてきたFRB議長の強い指導力が(必ずしもすべて正しかったわけではありませんが)、米国だけでなく世界の金融市場を発展させてきたことは事実です。

 こんなに優柔不断でモタモタしている最近のFRBは見たことがありません。FRBに対する市場の信頼が崩れて「任せておいて大丈夫なのかなあ?」と考えられてしまうと、米国だけではなく世界の経済や金融市場も「自信喪失」になってしまいます。

 世界の株式市場にとってFRBは「利上げするならサッサと上げてしまう」か「少なくとも年内は利上げしないと宣言する」かのどちらかにするべきだったと考えます。

 とりあえずNY市場では、NYダウが発表直前(日本時間・9月18日午前3時前)の16783ドル(前日比43ドル高)から日本時間同午前5時現在16658ドル(81ドル安)、為替が同1ドル=120.85円と1ユーロ=1.1331ドルから同1ドル=119.90円と1ユーロ=1.1426ドルと、見事にドル安・株安となっています。

 これは日本の株式市場にとっても好ましくなく、円高・株安になるかもしれません。

 またFRBが優柔不断である限り、日銀も(仮に円高・株安が進行しても)なかなか追加量的緩和に踏み切れません。本誌は決して追加量的緩和が好ましいとは思っていませんが、そのカードも無力化されてしまうことになります。FRBの利上げの可能性が残るうちは、日銀だけが追加量的緩和してしまうと金利差が拡大して円安が加速すると考えられるからです。

 そんな「結構問題の大きな」今回のFOMCだったと感じます。


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