「世界一リスクを取るアナリスト」はトランプ以後の経済をこう見る 日本経済に30年越しの大転換が来る!

「世界一リスクを取るアナリスト」はトランプ以後の経済をこう見る
日本経済に30年越しの大転換が来る!
現代ビジネス2016年12月2日 藤岡 雅

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50321


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30年越しの大転換が来る

ドナルド・トランプの大統領就任はアメリカ経済ばかりでなく、日本経済にも大きな変化をもたらします。それは30年越しの大転換になるはずです。

日本経済は長らく低金利の時代でした。90年9月に8.1%をつけた日本国債の10年物の金利は以後、26年もの間、下降し続け、今年7月に-0.297%となりました。それが大統領選でトランプが勝った途端に上昇に転じ、プラス圏に戻ってきた。

トランプ大統領の就任で決定づけられたのは、「金利上昇」というパラダイムシフトなのです。バブルの崩壊から約30年、ついに日本に金利上昇の時代が戻ってくるかもしれない。私たちはこの流れをしっかりと見極めて、これからの企業や日本経済にどのようなことが起こるのかを真剣に考えて行くべきでしょう。

金利上昇――。長らく景気が回復すれば金利が上がると教えられてきたものの、そんな場面には出くわしたことがない。どうにも信じがたいうえ、未だ住宅ローンを変動金利に据え置いている41歳の記者にすれば、そんなことが起こるとは信じたくない。

ところがファンドマネージャー大木將充氏は、自信たっぷりに金利上昇を予言している。

外資系証券時代の大木氏の異名は「世界一リスクを取るアナリスト」。99年の日本の金融危機の際には銀行に強気の〝逆張り″レポートを配信し的中。02年には飛ぶ鳥を落とす勢いだったオリックスに「売り」レポートを連続して配信し同社から反論が出されるなど業界を騒がせたが、大木氏の予想通り株価は大きく下落した。

これまで誰もが予想できなかった相場の潮目を数々読み解き的中させてきた大木氏の言う通り、金利上昇時代が来たならば、日本経済に一体どんな影響があるのだろうか。

各国のエリートが、方針転換を決意

トランプ大統領の誕生は、世界の経済刺激政策が金融政策から財政政策へ大転換することを象徴的に表しています。トランプ氏が掲げる最も重要な政策は、所得減税、法人減税、インフラ投資などの規模な財政出動だからです。これは、今から半年前とは真逆の賽が投げられたことを意味します。

今年6月の伊勢志摩サミットで、世界的な景気減速が鮮明になる中、我が国の安倍晋三総理は「リーマンショック前の経済状況に似ている」と危機感をあらわにし、首脳たちに「財政出動をやりましょう」と呼びかけました。このとき、各国の首脳は誰も反応しませんでした。

ところが10月に入ると変化が出始めた。これまでかたくなに財政出動を拒んできたドイツが、欧州委員会の「財政出動をせよ」という圧力の前に妥協し始めているのです。そして、イギリスもインフラや住宅への財政出動を決めました。欧州各国の財政危機以降、予算削減を指示していた国際通貨基金(IMF)も、現在、各国に支出拡大を求めています。

そこに来てトランプ氏が大統領選に勝利した。アメリカ大統領が「財政出動だ」と言い出せば、安倍総理が言うのとはわけが違ってくる。トランプ大統領の出現で、世界は財政出動に政策シフトする流れが決定づけられたといっていいでしょう。

財政出動で経済を刺激する政策は、資源や建材などの需要を高め、その価格が上がり始めることでインフレへと誘います。そうすると、中央銀行は利上げなどでインフレを抑え込もうと動き出す。結果、金利は上昇していくことになるのです。

先進各国の中で、財政出動を始める準備がもっとも整っているのは日本です。現在、日銀は金融緩和の姿勢を緩めてはいないが、すでに打つ手が少なくなっている。金融政策の手段が枯渇する今、今後は財政出動がメインの経済政策にならざるを得ません。

しかも与党・自民党は公共投資に熱心な二階俊博幹事長がどっしりと政権基盤の中枢に君臨している。安倍政権は財政規律の議論を押し切ってでも、財政出動を本格化させるでしょう。何より自らサミットで提唱した財政出動の流れに乗り遅れるわけにはいきません。

こうして財政出動が本格化することで金利が上がってくると、日本経済はどうなるでしょうか。

金融機関「復活ののろし」

確かに住宅ローンの金利は高くなる。ある人は、急に月々のローンの支払いが増えたと困惑するかもしれない。またある人は多くの庶民が高金利に苦しんで、都心から遥か彼方の郊外に家を買ったバブル時代を思い起こすかもしれない。

しかも金利上昇は株価にはネガティブな影響を与えやすい。結局、日本経済はまたダメになると考える人も多いかもしれません。

しかし、金利上昇局面は「経済が順調に推移するからこそ起こることなのだ」という基本に立ち返るべき時です。

具体的に見て行きましょう。

まず金利上昇は安定運用をもたらします。債券で利ザヤが確実に稼げるので、まず銀行の収益が拡大する。マイナス金利で死に体となっている地銀にとってはまさに復活の〝のろし″となるのです。また生損保なども安定運用が実現することになる。

経済の中枢を担う金融機関が金利上昇の流れにうまく乗り、低金利にあぐらをかいていた企業が投資の増加を背景にして資金調達をまじめに考えることで、これまで低迷していた法人向け融資も回り出すことにもなる。「雇用増or賃金上昇」→「消費増」→「設備投資」→「融資拡大」という民間の好循環を生み出す要因になるでしょう。


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【PHOTO】gettyimages

また金利上昇で資金調達コストが跳ね上がることは、借入れが多い不動産業界にとってはネガティブに見えます。

しかし、おそらく業界は景気が上向く恩恵の方を強く享受するでしょう。インフレによる収益改善が景気を刺激して、オフィスの空室率低下・賃料上昇につながれば、金利上昇の影響をはね返して不動産業界の収益改善につながるからです。

そう、金利上昇は日本経済の根幹を支える業界に良い刺激を与えることにつながるのです。そこから景気循環が始まると考えれば、金利上昇は実に明るい兆しなのだということなのです。

しかも我々庶民も、金利上昇で受ける恩恵は多いのです。これまでほとんどゼロだった銀行の預金金利が上がります。債券利回りも上がるので資産運用が正常化し、運用の安定性がもたらされる。

株式投資で大損を出したと話題になっている年金だって、債券の利回りが高くなれば将来の安定運用の可能性を高められる。住宅ローンが上がる一方で、金利上昇が家計を助ける部分にも着目すべきです。

日本株はどうなる?

さて、私はファンドマネージャーなので、こうした金利上昇局面に突入したことで日本株はどうなるのか、直近の情勢を加味して説明しておきましょう。

トランプ氏が米大統領に決まったことは、日本株に大きな恩恵をもたらします。先ほど、金利上昇は株価にはネガティブといいましたが、このセオリーは今現在、当てはまりません。なぜなら、日本株はいま、最高のポジションにいるからです。

その理由は三つあります。ひとつは、12月行われる見通しの米・FRBの利上げです。アメリカが利上げをすると、米債券を買おうと世界のマネーはアメリカに向っていき、ドル高=円安になります。アメリカへの輸出の多い日本企業の株価は当然、上向いていく。

次に、日本株の「出遅れ」です。今年、アルゼンチンやブラジルなどの株は年初から約4割も上がっていますが、今後、こうした新興国株は通貨安で売られる可能性があります。一方で日本は昨年末比で5%前後低い水準にある。現在、外国人投資家は日本株を十分に買っていません。

そして、政治的安定性です。小泉政権の後、10年もの長い間、政治が混乱していましたが、日本はいま、先進国の中でも1、2位を争う政治安定国です。

円安と他国の株価に対する出遅れ。そして政治的安定性。当然、世界の投資家は日本に資金を投入していくことを真剣に考える。つまり今後、日本株は上昇加速する可能性が高いのです。

デフレに慣れきった頭を捨てよ

このような環境下で投資をするなら、私は特に金融セクターを推奨します。三菱UFJFGみずほFG三井住友FGの3メガバンクもいいですが、マイナス金利でどん底に落ち込んだ地銀はねらい目。千葉銀行静岡銀行ふくおかFGスルガ銀行などの上位地銀がお勧めです。

ノンバンクで注目なのは、過払い金返還問題が終了しそうなアコムポケットカードアイフル。また海外で収益を伸ばそうとしているジャックスも悪くない。

長期金利で保険料を運用する第一生命HDも収益が戻るし、ペット保険で一世を風靡しているアニコムHDも同様です。

デベロッパーは都心のオフィス賃料の上昇に恩恵がある三菱地所三井不動産住友不動産です。

円安進展でトランプの大規模公共投資が慣行されれば、コマツ日立建機に注目です。アメリカはキャタピラーという建機のメジャーがいますが、それでも食い込んでいける力が2社にはある。またアメリカ西海岸にセメント工場を持っている、太平洋セメント三菱マテリアルも公共投資の需要を取り込む。

アメリカの公共投資はモータリゼーションから鉄道への転換を促すでしょう。日立製作所近畿車両に注目ですし、JR東日本JR東海は運行技術の売り込みのチャンス。

さらにトランプ氏は米国内の資源分野を奨励するでしょう。世界的に公共投資が広がれば、原油価格をはじめ資源価格は上昇に転じる。

日本では三井物産三菱商事の商社は息を吹き返すし、すでに銅の価格が上向いているので丸紅も収益を改善させる。長期的には鉄を初め資源開発が注目さるので、下がりきっている住友金属鉱山JXHDも今のうちにポートフォリオに組み込みたい。

食品の中でも、アメリカで地位を得ているキッコーマンを初め、海外進出に積極的なヤクルト本社日清食品HD東洋水産は期待できる。

ここで紹介したのはごく一部ですが、金利上昇は、経済学的にはネガティブに捉えられがちですが、ある程度までの金利上昇は、あたかも過度な低体温に陥っていた病人の体温が正常化するのと同様に、ポジティブな徴候にもなり得ます。

このような金利上昇時代を迎えるに当たって、トランプ新大統領の一挙手一投足に注目し、金利に関する知識を増やし、デフレに慣れきった頭の事前運動を行っておくことをお勧めします。

大木將充 ファイブスター投信投資顧問取締役運用部長。早稲田大学法学部卒。日本興業銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ドイツ証券、ソシエテジェネラル証券などを経て現職。ファンドには自身の名を冠した「MASAMITU日本株戦略ファンド」があり、「ビッグデータ・ファンド」「いつつぼし」と合わせて運用責任者を務めている。

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