「ウォール街の巨人」が日本株買いに転じた6つの理由

「ウォール街の巨人」が日本株買いに転じた6つの理由
NEWSポストセブン2017.01.17 16:00

http://www.news-postseven.com/archives/20170117_484323.html?PAGE=1#container


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【ウォール街のブル像も日本に狙いを定めた?】

 日本経済の爆騰が始まったと見ているのは日本の投資家だけではない。世界最大の資産運用会社が、ここに来て日本株を“買い”に転じた理由とは──。

 ウォール街の巨人と呼ばれる資産運用会社ブラックロックが2016年12月、日本株に対して強気の投資判断をしたレポートが注目を集めている。5.1兆ドルの運用資金を誇る同社がグループ全体で保有するTOPIX500社の構成銘柄の評価額が約10兆7680億円に達した。これは日銀の保有する日本株に匹敵する巨額の運用額だ。

 実際、ブラックロックが5%以上の株式を保有するとして提出した「大量保有報告書」を確認すると、3大メガバンク、三井物産、伊藤忠商事、大和証券G、マツダ、ニコン、JXHDなど、日本が誇る一流企業がズラリと並ぶ。

 そんな“大株主”が日本株を「買い」に転じた理由は何か。ブラックロック・ジャパンの福島毅CIOは、日本証券新聞紙上(2016年12月19日付)で、「米金利上昇が円安を促し、輸出企業への恩恵が大きくなる。政権の安定も一因」と述べた。

 さらにブラックロックのチーフ・ストラテジストであるイザベル・マテオ氏は、同社のHPで発表したブログ(2016年12月19日)で、「Reasons to like Japanese stocks(日本株を検討すべき理由)」を具体的に6項目に分けて説明する。

■高まる円安基調

 マテオ氏が筆頭に挙げたのが円安だ。同氏は、〈日本株は円安になると上昇する傾向がある〉(マテオ氏のブログより、以下〈〉内同)とする。福島氏が指摘するように、円安になれば日本の輸出企業が潤い、株高を誘導する。マテオ氏はこう続ける。

〈円安になると外国人投資家が日本株を買い、株式市場全体が浮揚する〉

■日銀の「イールドカーブ・コントロール」と世界的なインフレ傾向

 長期金利と短期金利を操作して「ゼロ金利」を維持するために、昨年9月に導入された日銀の「イールドカーブ・コントロール」政策をマテオ氏は高く評価している。また世界的なインフレ傾向のなか、FRB(連邦準備制度理事会)が利上げに踏み切れば日米の金利差が拡大すると予測する。ケイ・アセット代表の平野憲一氏もうなずく。

「今年は日銀がゼロ金利を継続する一方、米国では強気の年3回の利上げが予測されています。すると日米の金利差がさらに拡大して円安が進むでしょう」

■企業収益の持ち直し

 企業収益もポイントだ。

〈日本企業の収益は上半期の下落から上昇に転じた。GDPは依然として低迷し、国際的に見ると企業収益は相対的に低いものの、円安が企業収益を押し上げるだろう。企業収益を阻害する要因は少ない〉

 前項までに述べたように、円安基調で回復が見込まれる企業の業績は、日本株高騰の要因となる。

■家計、企業のセンチメントの改善

 センチメント(市場心理)の改善も大きい。

〈当社が独自に集計したビッグデータによると、消費マインドと企業マインドはともに改善しており、市場心理が好転したことを示唆する〉

 平野氏が補足する。

「日本は今、異次元緩和で国内に大量の資金が投入されている。しかも安倍内閣は企業に賃金上昇を働きかけており、家計は賃金アップを期待しています。同時に企業業績の向上で、企業マインドも上向いている」

■日銀の「ETF買い」と日本企業の「自社株買い」

 日銀による年間500億ドルのETF(上場投資信託)買い入れと、年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)による株式の組み込み比率の増加も高く評価した。またマテオ氏は、日本企業が自社株買いを増額したことを好感し、具体例としてNTTが発表した1500億円規模の自社株買いを挙げた。

「日銀やGPIFによる買いは株式市場を下支えします。企業が購入した自社株を消却することで市場に出回る株数が減少し、需給の関係で株高になることも期待できます」(平野氏)

■日本株が「バリュー主導」から「モメンタム主導」に変わりつつある

 株式投資の手法には、企業の資産や利益などから割安に放置されている銘柄を導きだして投資する「バリュー投資」と、相場の勢いを重視して株価上昇率の大きな銘柄などに投資する「モメンタム投資」がある。マテオ氏は日本市場の潮目が変わりつつあると指摘。

〈日本の株式市場は長期にわたり、モメンタムではなくバリューが重視される唯一のグローバル市場だったが、この傾向がモメンタム主導に変わりつつある〉

 平野氏が解説する。

「株に魅力がなく活性化していない市場では、割安株や配当目当てのバリュー投資が中心になる。一方で相場に勢いがあり、この先も株価が上昇する“先高感”があれば、モメンタム主導になります。マテオ氏は、日本市場が活性化し先高感が出ていると指摘している」

 世界最大の投資集団は、「日本株は“買い”だ」と確信している。日本経済の「バブル元年」は、“ウォール街の巨人”もお墨付きを与えた。

※週刊ポスト2017年1月27日号


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