【「日本」の解き方】 景気循環にアベノミクス効果 後退期間は戦後2番目の短さ

景気循環にアベノミクス効果 後退期間は戦後2番目の短さ
ZAKZAK2013.08.28
連載:「日本」の解き方

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130828/dms1308280728006-n1.htm


 内閣府は2009年3月からの景気拡大局面が12年4月まで37カ月間継続したと暫定的に判定した。09年3月が「谷」で、12年4月が「山」というわけだ。

 それでは今はどうかというとまだわからない。アベノミクスへの期待が生じた12年11月が「谷」で、今は“上り坂”の途中という可能性があるが、もしそうなると、12年4月の「山」から11月の「谷」までの短い景気後退だったことになる。

 内閣府がどのように景気の「山」や「谷」を判断するかというと、景気の現状を示す一致指数を構成する11の経済指標から作成する「ヒストリカルDI」を利用する。

 その指標は生産指数(鉱工業)、鉱工業生産財出荷指数、大口電力使用量、稼働率指数(製造業)、所定外労働時間指数(製造業)、投資財出荷指数(除く輸送機関)、商業販売額(小売業)、商業販売額(卸売業)、営業利益(全産業)、中小企業売上高(製造業)、有効求人倍数(除く学卒)というものだ。

 ヒストリカルDIの算出はちょっと技術的だ。まず個別の11の指標について特殊な統計分析手法で「山」と「谷」を確定する。ヒストリカルDIとは、この11指標の拡張系列数(プラスの数)の割合を示したもので、これが50%以上であれば拡張期、50%未満であれば後退期として、50%ラインを上から下に切る直前の月を「山」、逆に50%ラインを下から上に切る直前の月を「谷」としている。

 実際には、こうしたヒストリカルDIの結果を基に、主要経済指標や実体経済の動向を含めて検討が行われ、最終的には、内閣府経済社会総合研究所所長が主催する景気動向指数研究会の議論を経て、「山」と「谷」が決定される。

 このように書くと、昨年の11月が「谷」であることはわかりそうなものだが、11の指標の「山」と「谷」を確定させるための特殊な統計分析には、あと半年ほどのデータが必要だ。ただ、この11指標は良い数字になっているのは確かなので、今が“上り坂”であるのは間違いないだろう。

 12年4月が「山」であるので、そのあとには「谷」がどこかであるはずだ。それが今の段階では確定できないだけである。

 12年11月が「谷」であれば、景気後退期は7カ月になる。戦後14回の景気循環があり、その景気後退期は平均して16カ月であるが、朝鮮戦争の反動による4カ月の景気後退に次いで戦後2番目に短い後退期になる。

 12年11月は野田佳彦前政権が衆院解散を宣言したことで政権交代が確定した時期だ。

 アベノミクスについていまだに懐疑的な意見があるが、景気循環論からいえば、景気後退期間を短くしたのは確かだろう。ちなみに、景気拡張期の平均は34カ月。消費税増税さえスキップすれば、その程度は達成可能だ。消費税が今後の経済運営のカギである。 

(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)





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